夢の時間(とき)

オリジナルの異世界ファンタジー小説【ALCHERA-片翼の召喚士-】連載中です。

当ブログについて 

 

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初めまして、または、いつもありがとうございます。ユズキです。
当ブログでは、オリジナルの創作物をメインに、小説とイラスト、雑文などを掲載しています。時々マンガっぽいものとかも。
4年目に突入し、超不定期ではありますが、更新頑張りますのでよろしくお願いします。

※この記事は常にTOPに掲載されます。最新記事はこの記事の下から続きます。最新記事情報は、右サイドバーを見てください。


ALCHERA-片翼の召喚士-

ALCHERA-片翼の召喚士-
「片方の翼が奇形のため空を翔ることができない、召喚士の少女キュッリッキの冒険譚」
総勢15名しかいない、世界最強を誇るライオン傭兵団。後ろ盾であるハワドウレ皇国副宰相ベルトルドにスカウトされ、ライオン傭兵団に入団することになった、レアと言われる召喚スキル〈才能〉を持つ少女キュッリッキ。アイオン族であるキュッリッキは、誰にも知られたくない辛いトラウマを抱えている。その為人付き合いが苦手な彼女は、今度こそはとライオン傭兵団の中に、自分の居場所を模索する。
架空の異世界を舞台に、不幸な生い立ちを持つ主人公キュッリッキが、ある事件をきっかけにして、仲間たちとの関係、初めての恋、己のトラウマと向き合っていく姿。そして、もう一人の主人公格ベルトルドの謎の思惑。それらが絡み合い、物語は進んでいく。

物語の傾向はシリアスですが、下ネタもあり、コメディもあり、恋愛もあり、バトルあり、血みどろもあります。長編ですが、難しいお話や言い回しは書けないので、気軽に楽しんでいただければと思います。
小説以外にも、設定やイラスト、ちょっとしたマンガなども公開中。

専用目次記事はコチラ⇒ALCHERA-片翼の召喚士-

《 最新話 》
・最終章:永遠の翼 神狼vs.神龍
フェンリル、フローズヴィトニルと共に、ドラゴンに立ち向かうキュッリッキ。短時間で力を増大させるドラゴンに手を焼き、ついにフェンリルたちの制限が解かれ、本来の姿と力を取り戻した。

 126 最終章 永遠の翼 神狼vs.神龍 (2017/02/01更新)

※血みどろシーンや、性描写などの表現が含まれます。R指定はとくにしていません。少しでもそうしたシーンが不愉快に感じる方はご注意ください。

ALCHERA-片翼の召喚士- 】のマンガを描いてくださいました。ほんわか優しくて楽しい彼らを是非読みに行ってください!

明さんのブログはこちら⇒【 三日月の詩/はじめての、ファンアート 】

小説

  

眠りの果てに
貴族のお城にご奉公へあがったはずが、勉強やマナーを学ぶ日々。そして…。おとぎ話風をイメージした、15歳の少女インドラの物語。短編で完結済みです。

乗り換えまでには読み終わるかも?
練習に書いている、1話完結の読み切り短編集です。ジャンルはとくに決めてません。思いつくまま。

Counter Attack
更新停止中です。年内再開できる・・・かなあ?


イラスト

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tag: ファンタジー  オリジナル  イラスト  小説 

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こんなふうに描いたよTちゃん 

 


ラフ。愛の積極性が若干物足りないので、お互い身体に触れる手をあとで追加。


清書して大まかな全体の色設計。髪とか肌の色は、アニメ塗だとこれが基本色。


若い人たちで流行っているグリザイユというのを試しました。グレーの濃淡で陰影を塗りつぶしていくらしい。線画もここで調整。


グレーで塗った上に、オーバーレイで色を塗っていくとこんな感じに。


ろまんちっくなムードを盛り上げるべく、背景とか効果描き足して完了。


実は、最初にアップしたときと、若干違っています。

ひと晩たって気づいたのが、キュッリッキさんの口の周りが、口紅拭き残したような(笑)あとに陰影が広がってしまっていたんですよね><

もうはね起きて速攻直したました(´_ゝ`)


普段図の1の角度でパソコン画面を見ているんですが、オーバーレイをメインに使うと、この角度だと、薄くなった余計な陰影が発光して見えません。

しかし、気づいたときのパソコン画面の角度が2のほうだったため、画面がやや濃いい発色具合になって、それで気づけたんですね・・・。

普段、乗算とオーバーレイは、効果演出にしか使わないんだけど、グリザイユ画法なるものでやるとオーバーレイが色の基本になってしまうので、画面角度を2のほうでやらないとあとから「げふん」ってなってしまうのが。

色彩感覚ズレるなこれwww

お友達のTちゃんにせがまれて説明。SAIで塗ったよん。

category: ◆雑談

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ALCHERA-片翼の召喚士- 126 最終章:永遠の翼 神狼vs.神龍 

 

途中まで書いて、2ヶ月くらい放置していたら、続きは何が書きたかったか思い出すのに苦労しました(あふん

昨年で終わらせようと張り切っていたけど、結局今年にずれ込んだ( ̄◇ ̄;) まあ、今年中にしっかり終わらせて、続編や番外編、本編の改稿がしたいれす。

この話を思いついたとき、実は最初に思い浮かんだのはエンディングシーンだったんです。長いことそのシーンを書きたく思っていましたが、その時が近づいてきた感じ。

あともうちょい、読んでやってください。




ALCHERA-片翼の召喚士-
最終章 永遠の翼 神狼vs.神龍 126



 フリングホルニの規模からすると、エグザイル・システムのあるこの部屋は、小部屋と称してもいい程度だ。しかし、それはあくまでフリングホルニを前提としてのこと。

 巨大なドームほどもある室内の、天井スレスレの高さまで頭が届く白銀のドラゴンは、フェンリルの繰り出す咆哮による振動波を、サラマブレスで防ぎながら、巨大な尻尾を鞭のようにしならせ反撃していた。

 ドラゴンに変じたベルトルドの力を推し量るため、キュッリッキはフェンリルをけしかけ様子を見ている。

 呪いの力に意識を乗っ取られて、まだ間がない。しかし、ベルトルドは操られる中で、確実にドラゴンの力を制御し始めている。このままだと数分もすれば、元々持っているサイ〈超能力〉と魔法の力を組み合わせた攻撃を、使ってくることは明らかだった。

 まだ本気を出していないとは言え、フェンリルの力を易易と跳ね返している。もともとのステータスが高いのだから、素体としては最高の逸材だっただろう。

 アルケラを守るためだが、ユリディスの力を、ちょっと恨めしく思うキュッリッキだった。

「やっぱりー、制限付きだとちょっと不利だね」

 キュッリッキを守るように立って、フェンリルとドラゴンの戦闘を見ているフローズヴィトニルが、呑気そうに呟く。

「ボクたち、相当制限されまくってるから、アレを倒すなら制限外してよー、キュッリッキ~」

 フローズヴィトニルにせっつかれながら、キュッリッキは小さく首を傾げて考え込んでいた。

(ベルトルドさん級のドラゴンを召喚してぶつけるとか……、一匹じゃ互角になっちゃうだろうから、2,3匹くらいは呼ばないとダメよね~。でもそしたら、ここじゃ収まりきらなくなっちゃうしー……)

「船が木っ端微塵になるから、そのアイデアは止めたほうがいいだろう」

 戻ってきたフェンリルに、唸るように言われて、キュッリッキは口の端をヒクつかせた。

「う…うん、やっぱ無理だよねっ」

 3匹も4匹もドラゴンが船内で暴れまわっている姿を想像すると、あちこち穴だらけになって宇宙空間に放り出されるのがオチだ。宇宙空間というところには、酸素がないらしい。投げ出されたら、窒息死してしまう。

「フローズヴィトニルが言ったように、我々の制限を一時的に解除して欲しい。それなら確実に、あやつを倒せる」

「そーそー」

「ううん、それしかないかあ……」

 人間の世界に留まるフェンリルとフローズヴィトニルには、沢山の制限がかせられていた。

 力の制限、行動の制限、自由の制限などなど。あらゆる制限にがんじがらめにされ、その状態でキュッリッキに従っている。

 2匹は神であり、ほんの小さな息吹で、国をいくつも崩壊させてしまう威力があった。そうならないために、制限が設けられている。

「シ・アティウスなる人間の学者の話が本当ならば、あの者の祖先を産みし者は、我らが父ロキであろう」

「え?」

 キュッリッキはびっくりしてフェンリルを見た。

 アルケラの最高神の一柱であるロキ。フェンリルやフローズヴィトニルをはじめ、あらゆる神や眷属、幻想の住人たちの父でもある。

「間違いない…、同じ力の波動を感じるのでな。以前は気付かなかったが、完全に覚醒したあの状態だと、嫌でも感じる」

「あー、言われてみると確かに、パパの血を感じるや」

 アルケラで幾度か、ロキ神とは話をしたことがある。色々と面白い話をしてくれて、時にはからかわれたりもした。そして、話してくれたことの大半はロキの嘘であり、それを淡々と告げるフェンリルの憮然とした様子も印象に強い。

 これまでフェンリルが、どこかベルトルドやアルカネットに引き気味なところがあったのは、そうした血のルーツが関係していたのかと、キュッリッキは薄く笑った。

 化物じみた力もなにも、ロキの遺伝情報が備わっているのだったら、不思議にも思わない。

 根掘り葉掘り、後から後から色々な情報が飛び出してくる。それがどれも、人外の領域を確定付ける内容ばかりで、ベルトルドがどれだけ人間離れしていたのかと、あらためて再認識する羽目になっていた。

「……ロキ様の血を引いているなら、制限ありだと倒せないね」

 深々と嘆息し、キュッリッキは2匹の頭に手を乗せる。

「制限を解くことになるとは、さすがに思わなかったけど…。――召喚士キュッリッキの名において、フェンリルとフローズヴィトニルにかせられしグリーマヴェンドを、ソールとマーニの承認において、いっとき解除する!」

 キュッリッキ、フェンリル、フローズヴィトニルの身体から、白銀色の光が噴きだし、室内に突如暴風が吹き荒れた。

「あわわわわ、ナンデスカーこれはっ!」

 風に巻かれて飛ばされそうになり、シビルは床から足が浮いたところで、間一髪ガエルに尻尾を掴まれた。

「リッキー!」

 両腕で身体を庇いながら、前方に立つキュッリッキに、メルヴィンは叫んだ。

 背を向けて立っているキュッリッキは、長い髪を風に激しく嬲られ、ドレスの裾も乱れ揺れている。しかし、キュッリッキ自身は揺らぐことなくその場に立ち、しっかりと巨狼2匹の頭を押さえつけていた。

「大丈夫だよ! フェンリルたちの制限を解いたから、あっちとこっちが繋がる関係で、ちょっと荒れ狂ってるだけだから~」

 振り返ることなくキュッリッキが叫ぶと、

「へえ~、そうなんだあ」

 と、安堵したようにルーファスが言う。

「てえ! あっちとこっちってなんなの!?」

 ハッとしたようにルーファスが叫ぶと、

「えーっと、アルケラとここ~」

 なんでもないように、キュッリッキがのほほんと答える。

「なんだってえええええええええ!?」

 ライオン傭兵団は絶叫した。



 突如起こった暴風から身体を庇うため、ドラゴンは片翼を羽ばたかせ、自身を包み込むようにする。

 目の前の巫女の身体が光だし、間の空間に黒い球体が生まれ始めている。それは少しずつ膨らみ、大きくなっていった。

 ドラゴンは目を眇め、黒い球体をジッと見つめる。球体のずっと奥底から、ゾワゾワとするような気配が、ゆっくりと近づいていた。

 明らかにその気配からは、殺意と敵意が自分の方へと向けられている。

 危険を察知してドラゴンは大咆哮をあげると、自身の周りに透明で巨大な防御壁を築いた。



「さすがベルトルドさん、仕事が早いね」

 素早く防御を展開したドラゴンに、キュッリッキは小さく微笑む。あの黒い球体の中から出てくるものに、警戒しているのだろう。

「グウゥゥ…」

 低く喉を鳴らしていたフェンリルは、苦しげな表情を浮かべながら、身体を低く屈めた。そして、四肢を踏ん張る。

 銀色の光に包まれているフェンリルの身体が、突如変形を始めた。

 更にふた回り身体が大きくなり、銀色の毛足が伸びて、細い四肢が一回り太くなる。筋肉で盛り上がった背からは、巨大な白銀色の翼が生え、耳が伸び、ムチのような長い触覚が2本生えた。

 狼の面影を残したまま、それは全く別の生き物の様相を呈していた。恐ろしくも神神しい姿に。

 身体の大きさは抑えていたが、これが本来のフェンリルの姿である。この姿を見るのは、キュッリッキでも初めてだった。

 逆にフローズヴィトニルは普段の仔犬の姿に戻ると、嬉々とした様子でフェンリルの頭に飛び乗った。

「我が聖域イアールンヴィズに住まいし眷属、スコル、ハティ、求めに応じ参集せよ!」

 目の前の黒い球体に吠えかけると、そこから金色の軌跡を伸ばしながら、2匹の金色の狼が出現した。

 金色の狼たちは、すぐさまフェンリルの前に駆け降りると、服従するようにその場に身を伏せた。フェンリルより一回り小さいが、大きな狼たちだ。

「免礼」

 フェンリルが低く一言発すると、2匹の狼はスッと立ち上がる。

「巫女を脅かせしあのドラゴンの持つ力を喰らい、本来あるべき姿に戻せ。我らが父ロキの血を宿す者だ。思う存分に、その力を味わうがいい」

 スコルとハティは歓喜の咆哮を上げると、すぐさま宙を蹴って飛び上がり、ドラゴン目掛けて襲いかかった。神の力を喰らえば、その分強くなる。またとない好機。

「始まった」

 キュッリッキは小さく呟くと、目の前の空間を凝視する。

 黄緑色の瞳を覆う虹色の光彩が煌き、その視線はアルケラへとつながっていく。

 果の見えない雄大な森林の、最も高き木に止まる巨大な鷲の眉間に止まる、一羽の鷹と目が合う。

「おいで、ヴェズルフェルニル!」

 名を呼ばれた鷹は飛び立ち、導かれて空間を越えると、キュッリッキの差し伸べた細い腕にとまった。

 鋭い爪は、しかしキュッリッキの柔肌を傷つけることなく、しっかりと腕を掴んでいた。

「いい子だね。フェンリルたちの戦いが済むまで、みんなを守ってあげててね」

  ヴェズルフェルニルと目線の高さを同じにして微笑むように言うと、キュッリッキは ヴェズルフェルニルをメルヴィンに向けて放った。

  その様子を見ていたメルヴィンは、反射的に腕を差し伸べる。ヴェズルフェルニルは迷うことなく、メルヴィンの腕にとまった。

「みんなメルヴィンのそばにいてね。その子がありとあらゆる超常の力を、跳ね除けてくれるから」

 仲間たちに向かって肩ごしにニッコリと言うと、キュッリッキは前方へ顔を向けた。



「どっからどう見ても、普通の鷹だなあ…」

 タルコットは鷹をしげしげと見つめながら、首をかしげる。

 キュッリッキから託されたヴェズルフェルニルを腕に留まらせながら、メルヴィンは苦笑を浮かべた。

 こんな見た目普通の鷹が、どう助けてくれるのかと、僅かに興味津々である。

「素晴らしい…、本当に素晴らしい」

 シ・アティウスはこの場で起こっていることを、ほんの少しでも見逃すことがないように、ヴェズルフェルニルに目を向けつつ、目の前の戦いを見つめていた。興奮で声が上ずっていることにも、気づかないようだ。

「アウリスの父がロキ神ですか…。どんな神かは知りませんでしたが、なるほど、なるほど。悠久の時の中でその血は薄まれど、あれだけの化物じみた力を発するんですから、やはり凄い血筋ですね」

 断片的に漏れ聴こえてくる会話を、全て記憶にインプットしながら、シ・アティウスは喜びを隠そうともせず表情に浮かべた。

「オレぁもう、頭がついていかね~~っす!」

 泣き叫ぶようにギャリーが寝転がったまま言うと、タルコットが神妙に頷く。

「ファンタジーすぎて、すでにボクたちの常識の枠から、かけ離れているからな」

「そーそー。アタシぃ~、お化けだって幽霊だってぇ、視たことないものぉ…」

 マリオンも頷きながら、ゲッソリとぼやいた。サイ〈超能力〉の透視能力にも、個人差があるので、そうした現象を目にできない、したくない者もいた。マリオンはなにげにその方面が、大の苦手である。

「みんな、気をしっかりもってください」

 パンパンッと手を叩きながら、カーティスがしっかりした口調で嗜める。

「いいですか、目の前のファンタジーはメルヘンではないんです。無害な妖精さんたちが遊んでいるわけじゃないんですよ。デカ狼とデカドラゴンの戦いが激化したら、この船は破壊され、我々は空気のない宇宙空間に放り出され、窒息死して塵になるしかないンです。そうならないためにも、フェンリルを応援して、無事五体満足でエルダー街へ帰れるように、声を張り上げましょう!」

 ぬおおおおおおっ! と歓声が上がり、フェンリルの名を喧しく叫びながら、ライオン傭兵団による必死な応援が始まった。

「ん??」

「……」

 キュッリッキとフェンリルは、ギョッとして後ろを振り向いた。

 メルヴィンは苦笑を浮かべ、ランドンとマーゴットは呆れた表情を浮かべてため息をついている。しかしほかのメンバーは、どこか死に物狂いな表情を浮かべ、狂ったように叫んでいた。

 その様子に、やがて疲れたように、フェンリルは小さなため息をこぼした。



 ベルトルドの意識は、完全にユリディスの呪いの力に飲み込まれている。ユリディスの力で召喚されたドラゴンを憑依させられ、一体となり、ベルトルドに本来備わっていたサイ〈超能力〉と魔法のスキル〈才能〉が、徐々にドラゴンの力と融合し始めていた。それに加え、ベルトルドの持つ遺伝子の中に伝わっていた、アウリスの遺伝子まで完全に覚醒している。更に、アウリスの父であるロキ神の力まで覚醒してしまっているため、ドラゴンに変じたベルトルドの力は、もはや高位の神々に匹敵するまでに高まっていた。

「よくぞこの短時間で、あれだけの力が顕現するものだ」

 忌々しげに、フェンリルは吐き捨てた。

「スコルとハティの力じゃ、喰らいきれないかも」

 同意するように、キュッリッキは呟く。

 フェンリルの眷属たるスコルとハティは、ドラゴンの肉体には攻撃せず、直接霊体を攻撃していた。それゆえ、見ている側からすると、ドラゴンの周りの空気に噛み付いているだけにしか見えない。しかしキュッリッキには、ベルトルドの霊体が攻撃されている様がハッキリと見えていた。

 あらゆる力の膜が、ベルトルドの霊体を包み込んでいる。

 スコルとハティは、猛烈な勢いで食いちぎっているが、膜は少しも減る様子がない。

「無闇に食い散らかしちゃダメ。ベルトルドさんの意識を取り込んでいる、ユリディスの呪いの力のみを引き剥がさないと、多分いつまで経っても終わらないよ」

 キュッリッキに指摘され、フェンリルは頷いた。

「ホント、あいつらダメダメーだなあ。ボクがお手本見せてあげるよ」

 フェンリルの頭の上で見学を決め込んでいたフローズヴィトニルは、大きく尻尾を振ると、宙に飛び上がった。そして一瞬にして、黒い毛並みはそのままに、フェンリルと同じ姿になる。

「こうやったら早いんだよ~」

 フローズヴィトニルはドラゴン目掛けて飛びかかると、頭と首の付け根にガブリと噛み付いた。

「ちょっ、何するのフローズヴィトニル!!」

 キュッリッキが悲鳴を上げるのと同時に、ドラゴンは大咆哮をあげて、フローズヴィトニルを叩き落とそうと身体を激しくもがいた。

「頭落としちゃえばいいじゃん。そしたら死んでおとなしくなるよ」

 呑気な声はそのままに、フローズヴィトニルは鋭く巨大な牙を、更に喉笛に深々と食い込ませる。

 牙を喰い込ませた傷口から、滝のような血が噴き出し、辺りを鮮血に染め上げ始めた。

「やめて、ベルトルドさんが死んじゃう」

 ドラゴンは苦しげな咆哮を上げながらも、己の周囲に無数の白い光を作り出す。

「あれは…」

「いかん! ドラゴンから離れろフローズヴィトニル!!」

「うん?」

 放電しながら膨らむ無数の白い光の玉は、強い光を放つと、大爆発を起こした。

「きゃああ」

 両腕を交差させて目を庇ったキュッリッキにかぶさるように、フェンリルがキュッリッキを守る。

 室内には爆音と白い煙が充満し、空気中に静電気が多量に含まれ、あちこちで細い電気がバチバチと音を立てていた。

 ライオン傭兵団はヴェズルフェルニルの作り出した、風の膜によって守られ、かすり傷一つない。

 キュッリッキもフェンリルに守られ、傷ひとつなかった。

 爆音のせいで耳が聞こえづらくなっていたキュッリッキは、頭を拳でトントン叩いて、聴力を取り戻そうとする。

「今の……サンダースパーク……ベルトルドさんの」

 頭を軽く振ると、ゆっくりと周りの音が耳に聞こえてきてホッとする。しかし、

「下がれフローズヴィトニル!!」

 フェンリルの怒号で、キュッリッキはビクッと身体を震わせた。

「よくも…、よくもやってくれたな、下郎の分際で!」

 フローズヴィトニルの怒鳴り声がして、キュッリッキはハッと顔を上げた。

 頭と首の付け根から、大量の血を噴き上げながら、白銀の鱗を朱く染めたドラゴンが睨みつけるその先には。

 ドラゴンと同じくらい躯を大きくしたフローズヴィトニルが、今にも食いつかんばかりの険しい表情(かお)で、ドラゴンを睨みつけていた。

 その剣呑な空気に危険を察知し、キュッリッキは声を張り上げた。

「だめ、ダメ、ベルトルドさんを殺しちゃダメなの!」

 叫ぶキュッリッキの声が聞こえていないのか、フローズヴィトニルは躯を低くすると、ドラゴン目掛けて飛びかかった。

 ドラゴンはサイ〈超能力〉を使って、身体の周りに幾重にも防御壁を敷いていたが、その全てを突破して、フローズヴィトニルの鋭い爪が、白銀の鱗に覆われた腹に突き刺さる。そして、鋭い牙は再び喉笛に喰らいつき、首を食いちぎろうと、フローズヴィトニルは激しく首を振った。

 絶叫のような咆哮を上げ、ドラゴンはフローズヴィトニルの爪と牙から逃れようと、身体を激しく何度も振り続けた。時々口からサラマブレスが吐き出され、辺りを紫電の色に染め上げる。血も雨のように、室内に振りまかれた。

「お願いフローズヴィトニルやめて、ベルトルドさんが死んじゃう! お願いだからやめてえ」

 キュッリッキはどうしていいか判らず、暴走するフローズヴィトニルに泣き叫んだ。あのままでは、人間に戻す前に絶命してしまう。

 血を流し続け暴れるドラゴンの姿に、キュッリッキも相当頭の中がテンパっていた。その様子を見てとって、フェンリルは軽く首を振る。

 あまりにも短時間に色々なことがその身に起きて、あらゆる処理が追いついていないのだ。

 普段のキュッリッキなら、このような事態でも冷静に判断出来る。今すぐフローズヴィトニルに、制限をかけ直せばいいだけなのだ。

 あの男に酷いめにあわされたというのに、少しも死を願ってはいない。傷ついたあの姿に、心配のあまり心を痛めて涙を流している。

 本当に、優しい子なのだ。

「スコル、ハティ」

 フローズヴィトニルの剣幕に気圧されて、下がっていた2匹の狼に、フェンリルは静かに声をかける。

「巫女を守れ」

 2匹は服従するように身を伏せ、そして起き上がる。

「全く、世話の焼ける、我が半身だ」

 フェンリルはキュッリッキから離れると、身体をフローズヴィトニルと同じように大きくした。

「フェンリル……?」

 手で涙を拭いながら、キュッリッキはフェンリルを見上げる。

「いい加減、落ち着かんか馬鹿者!!」

 フェンリルは静かに床を蹴り、勢いよくフローズヴィトニルに体当りした。


最終章 永遠の翼 神狼vs.神龍 つづく



125 第九章 戦い 家族だから

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category: 最終章:永遠の翼

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遅ればせながら今年もよろしくです! 

 



チョー絶ご無沙汰しちゃってます><! 様子を見に来てくださった皆様には、大変失礼しました。

とーっても遅ればせながら、今年もどうぞよろしくお願いします。


昨年11月に、買い物帰りに足をくじいた、てことをちょろっと書いたと思いますが、実はコレがトリガーになって、後遺症の再発症でくたばっておりました(・ω・)

もうかれこれ12年? になりますか「普通は死んでます」と医者と警察に異口同音に言われた交通事故から生還して(´_ゝ`)

まあ死なずにピンピン生きている状況ですが、後遺症とは絶命するまで共存する身体にはなっちまってます。

6年くらい前に一度後遺症の再発症で、死ぬような痛みに2ヶ月苦しめられたことがあったんだけど、そのときは、スーパーでのアルバイトで、オバサンたちのイヂメに重労働を課せられてたために、身体を酷使して再発症したんですよね。けど今回は、足を挫いたことで、ジワジワとキマシテ。

これ、説明がとても難しんですけど、いきなりデスネ。

まず、立ってられない、座ってられない、寝られない(・ω・)ただ、ある特定の向きだけ痛みがナイ状態。常に耳鳴りがして、頭が圧縮されたような激痛が、頭>首>背中>腰>脚にきて、食べ物飲み込めない、トイレは激痛との戦いで行くしかない、至れりつくせりな状況で過ごしておりました。

外見はまったくの健康体にしかみえないため、こういう後遺症は理解が得られなくて、毎日激怒しながらだったけど。今は買い物行ったりするくらいは元気になりました。

ただ、今回新しく描いたこのイラスト、1時間もペンタブいじってると、筋肉痛や腱鞘炎のような痛みでギブギブ(笑) となったりしながらの状況でしたが、なんとかそれでも描けるように復帰です☆

ロマンチックな絵柄を描きながらも、画面前で悶絶してるんだからワロエナイ。

ネットもロクにできず状態で、忙しいわけじゃないけど身体が痛くて操作できませんでした。

しかし、こっちのブログで広告出るのはショックなので、ボチボチ創作しながらリハビリでふ。

相変わらずの調子で申し訳ありませんが、今年もよろしくお願いします!


イラストは、キュッリッキさんとメルヴィン。くたばる前に完成させていた新しいブラシを使っての、これまでやったことない着彩方法で塗ってみました。


category: 片翼の召喚士

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おおう! 

 

うおおおおおおおおおおおおお(;゚Д゚)!

こっちのブログでスポンサー出ていてビビった・・・。そうだよね、1ヶ月放置なのか・・・うん。

ネットもできなくて、それで気付かなかった><

現在バタバタしていて、何にもできない日々です。毎度お待たせしているキリ番も、毎度毎度毎度本当にスミマセン><

ちょっと次のキリ番からは、しばらくお休みにしようと思います。毎度これだけお待たせしちゃってるので、せっかくリクエスト下さってる皆様に申し訳無さすぎです。

親しくしていただいている方々への個別お年賀のメッセも、今回は間に合いそうもなく、落ち着いてから記事上でご挨拶させていただきますね(;・∀・)


今年もご訪問やコメントなどありがとうございました。来年もスローペースだと思いますが、よろしくおねがいします!


category: ◆雑談

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悶々と思うこと・・・ 

 

ちょっと忙しくて創作している時間が取れない状況。

しかしカオスサーガまじウケた(笑) フレから速攻メールきてぐぐったら、これはまずかろうwww

中韓絡めたらこうなるだろうに。


創作する時間が取れないと、いろいろと妄想は膨らみまくるわけで、今現在わたしの脳内駆け巡るものは、

「ああ、マンガで描きたい・・・」

片翼の召喚士をね、マンガで描きたいって延々悶々してます(・ω・)

じゃあ描けばいいじゃんwww てハナシだけど、正直言ってマンガなんて、版権二次創作の同人誌にテキトーに描いたくらいしかケイケンが・・・。

一日が48時間欲しいれす( ̄◇ ̄;)


category: ◆雑談

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イラスト:ブラシ設定の試作 

 


新しく設定したブラシの試作用に描いたもの。せっかくなのでツイッターのヘッダーに設定したら、サイズのせいで、ブッタ切れた(笑)

SAIで描いたんですが、ずっとブラシの設定のやり方がわかっていなくて、色々素材投入したのに全部反映されてないからオカシーナー、て。そしたらやっとこやり方がわかった( ̄▽ ̄;)

そして、最近お絵かきサイト行くとよく見る、グリザイユ技法?なるものを試してみました。

うん、やりにくい(笑) わたしの色彩感覚だと、これは慣れるのにすごい苦労するかも。いかんせグレーで下地を塗ったところへ、オーバーレイで色を載せていくと、普段作る色合いと全然違うんだもん。

表現の一つとしてそのうち慣れよう・・・。

ブラシの設定が色々出来るようになったので、着彩表現広がった・・・かな?


category: 女の子絵

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