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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」:episode02

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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」

旅は道連れ編:ヴェガルド語り_episode02

 もし逆らったら、往復ビンタくらいは飛んできそうな剣幕だよう。うう…怖い。

 でもこの糞(ふん)は、アーポのものだ。この辺は自分の縄張りだぞ、という証。だから、わざとこんなところに糞を置いてる。それを知っているから、勝手にどけるわけにはいかない。

「こ、これは、縄張り宣言の証だから、そのままにしてほしいんだ」

「はぁ? なんで糞(ふん)で宣言するのよ」

「だって、そういうものだもん、動物って」

「動物の理屈が、このあたくしに通用するとでも思っているの?」

 思ってません。

「つまらない屁理屈述べてないで、とっとと作業をしなさい!」

 ひいいいっ。ボクは大きく仰け反った。

 どうしよう、こういう人って、絶対意地を通すよね。ボクが逆らえば逆らうほど、意地が頑強で強固になっていくんだ。どうしよう…。

 その時、凄い殺気が風に乗って吹き抜けていった。これは、アーポの殺気だ!

「うん? なあに、この嫌な殺気は」

 女は怪訝そうに辺りを見回してる。動物の殺気に気付けるなんて、この人一体?

 ボクがちょっと首をかしげたその瞬間、茂みから黒い影が躍り出てきた。

「アーポ、ダメだよ!」

 それが友達のアーポだと、ボクはすぐに気がついた。縄張りでボクらが騒いでいるから、機嫌を損ねている。

「へえ…、実物を見るのは初めてだけど、こんなところに住んでるのねえ」

 女はアーポを珍しそうに見つめてる。

 アーポは凄まじい殺気を女に向けているのに、この人少しも動じてない。あれだけ尊大だから、ちょっとやそっとじゃ揺るがない神経なのかも。

「角が二本もあるから、モノケロスじゃあないわね。処女を前にしてこの殺気、バイコーンね!」

 バイコーン?

 ボクはアーポと女を交互に見る。

 アーポっていうのは、ボクがつけた名前。アーポもこの名前を気に入ってくれてるもの。だけど、バイコーンっていう本当の名前があったの?

「一角獣はモノケロスといって、処女を前にすると、デレデレと魅了されて大人しくなるのよ。けど、この二角獣はバイコーンといって、不純が大好きなの。ところかまわず、相手が人間だろうと獣だろうと、女とみたらアレおっ勃てて襲いかかってくるわ」

 え? えっ?? おっ勃てる?

「ほぅら、殺気が変化して、どんどん発情の気が強まってきたわよ」

 女は蔑んだ目でアーポを見て、右手の甲をアーポに向けた。何をする気だろう? それに、アーポもなんだかめっちゃ興奮してきているような…。

「裁きの鉄槌をケダモノに振り下ろせ、ベフォール!!」

 ええええっ!?

 ズッドオオオオンッ!

 晴れた空からいきなり大きな雷が落ちてきて、爆音と強烈な青紫色の光と共に、アーポを貫いちゃったよっ!

 耳をつんざくような悲痛な嘶きをあげて、全身から煙を噴出しながら、アーポは地面にドサッと倒れちゃった。

「ア、アーポ!」

 ボクはアーポに駆け寄って、痙攣を繰り返すその身体に触れようとしたんだけど。

「アチッ」

 火傷しそうなほど、物凄い熱くて触れない。

 元々漆黒の肌色をしているアーポだけど、毛艶が失せて焦げた黒色になっちゃってるよう!

 この女、ボクの友達に何をしたんだ?

「なんて酷いことするんだ!」

旅は道連れ編:ヴェガルド語りepisode02 つづく

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