スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」:episode06

アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」 記事用ヘッダー

アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」

旅は道連れ編:アストリッド語り_episode06

 スヴェンセン伯爵家は、代々召喚系魔術を得意としているの。もちろんほかのジャンルも網羅しているけど、召喚系魔術においては、右に出るものはいないとされているわ。

 イーヴァル伯は、カード魔術と召喚系魔術を合体させて、新魔術エインヘリャルを作った。

 作り方は企業秘密だけど、一枚のカードを作り、そこへ自ら捕まえた力を封じ込める。ここまではスヴェンセン伯爵家の者がやります。それは代々当主の座を継ぐ、後継者がやることになっているわ。

 現在エインヘリャルは6枚。

 ここまで話せば、もうお判りね?

 そうよ、あたくしは7枚目のエインヘリャルを作るために、旅をしているの。

 ちなみにエインヘリャルは、一人で何枚も作れないわ。企業秘密だから作り方は教えられないけど、一人一枚のみよ。

 家のしきたりでね、16歳になったら、新たなエインヘリャルを作るための旅に出なくちゃいけないこと。そして、エインヘリャルを扱うことのできる、底抜けの体力を持つ若者を探すこと。その二つを達成しないと、家には帰れないってわけ。

 イーヴァル伯が作ったしきたりですって。

 あたしは腰に下げている鞄から、6枚のエインヘリャルを取り出しました。トランプカードより二回り大きいくらいのサイズね。タロットカードのようなデザインだけど、中央には封じ込められた、魔神たちの容姿が写っている。

 歴代の当主たちが集めたエインヘリャル。どれも凄い力を封じたものばかり。

 エインヘリャルを作り出すのはスヴェンセン伯爵家の者だけど、このエインヘリャルを扱うことのできる者、エインヘリャル・コントローラと呼ばれる使役者がいないと、エインヘリャルは封印される。

 エインヘリャル・コントローラが新たに見つかったとき、エインヘリャルは契約して目覚めてくれる。そうなれば、エインヘリャルと話が出来るんだけどねえ。

 イーヴァル伯が作った最初のエインヘリャルを、あたくしはジッと見つめた。

 闇の神々の中で、最高位に属する魔神イブリースを封じているの。

 この世界ヴィンドフロトには、大勢の神々が降臨して戦っているけど、その中から大物を見つけ出し、捕らえて封じるなんて、どれほど凄い実力を兼ね備えていたのかしら。

 尊敬と同時に、嫉妬もしちゃう。

 あたくしはどんな魔神を捕らえ、封じることになるのかしら。

 7枚目のエインヘリャルが完成するのが先か、それともエインヘリャル・コントローラが見つかるのが先か。

 本音を言えば、エインヘリャル・コントローラが先に見つかると、戦力的にも助かるんだけどね…。

 そりゃあ、神々に対抗するだけの魔術を身につけているわよ。でも、用心に越したことはないしね!

 弱音なんかじゃないわよ?

「それ、なあに?」

 ヴェガルドが横から、珍しそうにエインヘリャルを覗き込んできました。ずっと下ばかり向いて歩いていたけど、こういうものには興味を示すのね。

「エインヘリャルっていう、魔術を扱う特殊な道具よ」

「ふーん…」

 ついさっき下僕に召し上げた、無自覚な野良魔獣使い(フラフトストラ)の少年ヴェガルド・イプセン。あたくしより3つ年下の13歳。

 顔は中々に綺麗で、将来が楽しみな感じね。連れて歩くのに、申し分のない顔立ち。

 この子の住処を思いっきり燃やしちゃったから、せめてものお詫びに下僕(しもべ)に召し上げて、面倒を見ることにしたんですわ。

 ただ……この子、野生生活が長いせいか、着ているものが何かの獣の毛皮を身体に巻いて、それを草の蔓で縛ってるだけなの。おそらく下着なんて履いてないだろうし。

 原始人じゃあるまいし、このままじゃダメよ! 何とかしなきゃ。

旅は道連れ編:アストリッド_episode06 つづく

フッター
関連記事
オリジナルファンタジー小説

Comments - 0

Leave a reply

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。