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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」:episode09

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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」

旅は道連れ編:アストリッド語り_episode09

「ごしゅじんさまあ、ここでしゅ~」

 白い建物で、品のいい外観をしている。看板も店の外装も、中々に洒落ているわね。内装のほうも期待できそうです。

 店の扉の前を、ヨナスはクルクル回りながら、パタパタと飛んでいた。

 人の多い往来で、堂々と飛んでいられるのは、ヨナスがあたくしたち以外には見えないよう、自身に魔術を施しているから。

 魔術師個々の趣味で、とても人目にさらせない姿をした使い魔なんかもいるから、これは魔術師の義務でもあるの。もっとも、ヨナスは可愛いから、黙っていれば大抵平気なんだけどね。

「お店に入りましょう」

 一歩踏み出した途端、

「やっと追いついたぞ、この女狐!!」

 あたくしたちの反対側から、いきなり怒鳴り声を浴びせられました。

 女狐?

 周りを見回します。

 往来には、今のところ女性は、あたくししか居ないわね…。

 ――女狐ですってぇ?

「今日こそ決着をつけてやる! 覚悟しろゴルァ!!」

 品の欠片もない話し方をするそいつを、た~っぷりとあたくしは見つめました。

 ああ…、ちょっと思い出したかも。

「またオマエか……」

 東の大陸から探し始めるといいだろう。そう、宮廷魔術師の占いを受け、あたくしは東の大陸へ出発しました。ちなみに宮廷魔術師とは、あたくしの父、ディラン・ニルス・スヴェンセン伯爵筆頭魔術師の弟子であるリカルド先生のこと。

 リカルド先生はまだ30歳と若いんだけど、父の右腕で、あたくしの魔術の先生でもあるの。

 顔は綺麗なのに性格は超サドそのもの、鬼のような修行を幼い頃から課してきて、涙と血反吐をまき散らしながら修行したものよ…。思い出すだけで冷や汗が出るというもの。ああ、懐かしいわ。あの頃には帰りたくないくらい。

 屋敷を出てからまっすぐ港を目指し、東の大陸に渡るための船に乗って、1週間ほどの航海で東の大陸に着いてみれば、港町でいきなり絡まれたのよ。忘れもしない……、いえ、本当は今の今まで忘れていたけれど。思いっきり。

「見るからに変質的で、脳内イカれてて、美的センスもなくて、バッカじゃないのってくらいみっともなくて、アホ丸出しで品の欠片もなくて、声をかけられるとタダの迷惑だって気づきなさいよアホンダラで、知り合いだと思われたら恥ずかしくて旅が出来なくなるわって思うほどの、この女に」

「てぇ、そういうコトは声に出して言うんじゃねえよ!!」

 握り拳で唾を飛ばしながら怒鳴る。ホント、品がないわ。

「あら、ナレーションしてたつもりなんだけど、心の声が出ちゃっていたのね、ごめんあそばせ」

 にこっ。

「ぐぎぎぎぎっ……、相変わらずムカつくなクソアマ」

「下品を丸出しにして、あたくしに話しかけないでいただきたいわ。お腹がすいているのよ…」

 今日は森で大暴れしたし、ずっと歩きっぱなしだから疲れているの。お腹が鳴らないように気合で耐えているけど、そろそろあたくしも限界だわ。それに、嫌ねえ…、あの下品な女が騒ぐから、遠巻きに人だかりが出来ちゃってるじゃない。こういう目立ち方は避けたいのに、恥ずかしいわ全くもう。

 リカルド先生の占い、思いっきり外れているんじゃなくって? アレはどう見ても、エインヘリャル・コントローラにはならない。余計なのに出会って絡まれていましてよ!

旅は道連れ編:アストリッド_episode09 つづく

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