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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」:episode11

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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」

旅は道連れ編:アストリッド語り_episode11

 ビシッと下品女を指差し、あたくしは左手の甲を女に向ける。

「へっ! やっとやる気になったかクソアマ。ヘリュ・フプリ様のリボン魔術の真髄を思い知りやがれっ!!」

 ヘリュ・フプリっていうの。初めて名前を聞いた気がするわ。まあ、前に名乗っていたとしても、もう覚えていませんけど。

 ニヤリと笑みを浮かべるヘリュは、三段スカートに結んである、赤い小さなリボンを解いた。色で何が飛んでくるか判るのは親切ね。

「ファイア!!」

「消火よろしくっ、宝瓶宮(クンバー)!」

 ゴオッと唸る音を立てて飛んできた火は、宝瓶宮(クンバー)の化身の水に包み込まれ、呆気なく消えました。最低だわねえ、なあにあの火力。

 よくある見世物で、松明に酒を吹きかけて、火炎放射みたいに撃ちだす火みたい。手品か芸レベルじゃないの。

 はあ…、あんなちゃちな火炎手品の消火に、十二星座霊を呼び出すとか。ナメクジをいたぶり殺すのに、高級岩塩をまぶすようなものね。

「やるじゃねえか……」

 ヘリュはこめかみをヒクヒクさせながら、あたくしを睨みつけている。あの程度をやるじゃないかと言われても、あたくしが困るわ。

「リボン魔術の真髄を見せてくださるのでしょう? 準備運動にもならないような、手品芸を披露なさらず、ドッカンと盛大にお願いしますわ」

「手品だとお!?」

 両手の拳を強く握り締め、ワナワナと口を震わせて、ヘリュは地団駄を踏んだ。

 あら、勘に触りましたのね? だって、本当のことですもの。

「今度はこうだっ!!」

 三段スカートについている青緑黄の3つのリボンをほどき、あたくしに投げつけてきた。

「ウォータ、エアロ、ストーン!!」

 さっきのファイアと威力は同じですわね。全く、本当に手品レベルね。

「小さき力を粉砕せよ! 巨蟹宮(カルカタ)!」

 三種のエレメントは、あたくしが召喚した巨蟹宮(カルカタ)の巨大な爪に打ち払われ、霧散してしまいました。

「ちょっと、お腹すいているのよ! さっさと本気出して下さるかしら!?」

 このままじゃお腹が鳴っちゃうじゃないの! 真面目に相手をしてあげているんだから、いい加減本気の魔術を見せてちょうだいもう!!

「ボクももう限界……、アストリッド様、ちゃちゃっと吹っ飛ばしちゃったら…」

 あたくしの後ろにしゃがんで、ヴェガルドが物騒なことを呟きだしたわ。

「そうでしゅね~、あまり遅い時間にお食事すると、太っちゃいますもんね~」

 ヨナスも飽きてきたようで、ヴェガルドの頭に座ってニコニコ笑っている。そうね、早く食べないと太っちゃうわ。

「ということで、さっさとして!」

 ビシッとヘリュに向けて人差し指を突きつけ、あたくしは怒鳴った。

「わーったよ…、そんなに死にたきゃ、ぶっ殺す!!」

 ヘリュは三段スカートを腰から剥ぎ取って、バサバサッと両手で何度か扇ぐ。

「この町ごと吹っ飛ばしてやらああ!!」

「ちょっとヘリュさん!?」

 ヘリュの後ろで状況を見ていた魔術協会のおじさんは、急に慌ててヘリュの両肩を鷲掴みにしていた。

「いいですかヘリュさん、協会としてはそんな魔術の使用を認めません! 町を吹っ飛ばすなど、もってのほかです」

「じゃあかあしいいい!! あの居丈高で尊大で鼻持ちならねえクソアマをぶっ殺すには、これくらいやらねえとダメなんだよっ!」

 凄絶な笑みを浮かべ、ヘリュは魔術協会のおじさんを払い除けた。

 あらあら、短気ねえ。

 魔術師である以上、魔術協会に楯突くのはご法度なんですけど。頭に血が上って、そんなことも忘れているのね。まあ、どんな規模の魔術を発動するつもりかは知らないけど、このあたくしを、誰だと思っているの?

「喰らいやがれクソアマああああああああっ!」

旅は道連れ編:アストリッド_episode11 つづく

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