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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」:episode12

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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」

旅は道連れ編:アストリッド語り_episode12

 ヘリュは三段スカートを、勢いよく地面に叩きつけました。すると、地面が激しく振動し、ヨナスが寝かせた一般人が次々倒れていく。

 あの三段スカートは、上から土、水と風、毒と炎のエレメント魔術が仕込んであると思う。そして乱暴に発動させたということは、リボンっていうか布の大きさのぶん、さっきの小さいリボン以上の威力はあるってわけね。

 一度に5つのエレメントの力を発動するんじゃあ、確かにほっとけば町は吹っ飛んじゃうわ。

 でも、そうはさせない。だって、お腹すいているんですもの! レストランを吹っ飛ばされてなるものですか!

「時間を操作し、あの者の魔術を止めよ、アヴァトロン!!」

 やむを得ずあたくしは右手の甲をかざし、惑星霊を召喚しました。

 目に見えない土星(アヴァトロン)の星霊が、ヘリュが発動させようとしている魔術の時間を止める。

「あ、アレ? 魔術が動いてねえっ」

 バサバサと何度もスカートを振って、ヘリュは首をかしげていた。

「ヨナス」

「はい~、ごしゅじんさまあ」

 ヨナスは大きく空気を吸い込み、そしてヘリュの手にしている三段スカートに向けて、物凄い勢いで息を吹き付けた。

「うぎゃあああっ」

 三段スカートにボッと火がついて、瞬く間にスカートはメラメラと焼けて灰になっていった。ヨナスの火炎魔術よ。

 ヘリュはその場にへたり込み、目を瞬かせてあたくしを見上げてきた。さっきの勢いはどこへいったのやら、情けない顔ね。

「あなたの魔術自体の時間を止めて、発動を阻止したの。あたくし個人を狙うならまだしも、町全体を巻き込んだら、あなた犯罪者になるところだったのよ」

「う……」

「あたくしの善意に大感謝して、金輪際目の前に現れないと誓いなさい。そうすれば、今日のことは下水に流して差しあげてよ」

 ヘリュはムッとした顔をしたけれど、すぐにしゅんっと下を向いて黙り込んだわ。

「それと魔術協会の職員の方」

「あ、はい」

「そんなわけで、もうよろしいかしら? あたくしたち、とーってもお腹がすいてますの。早くお夕食をとりたいわ」

「はい、はい、ようございます。さすがはスヴェンセン伯爵家の次期当主様、御当主の伯爵様も、良い後継を持たれましたな」

 聞き飽きたお世辞を言いながら、魔術協会のおじさんは頭を下げてきた。

 魔術協会の職員も、スヴェンセン伯爵家の名に頭を下げるのよ。それだけ世界規模で、あたくしの家は影響力を持っているわけね。

 もっとも、今のあたくしは、スヴェンセンという名の七光りで、チヤホヤされているだけなのだけど。悔しいけど、それが事実だわ。

「じゃあ行きましょう」

 あたくしはヴェガルドとヨナスを連れて、店の中へ入った。ヨナスが眠らせていた一般人は、もう目を覚まして各々の目的へ向けて歩き出していました。

 店内はこじんまりとしているけど、テーブルには真っ白なクロスがかけられ、小さな花瓶にはピンクの薔薇の花が活けてある。床にはクリムゾンの絨毯が敷かれ、可愛らしいシャンデリアが天井を照らしています。

 簡素だけど内装も素敵ですわね。宿場町にしてはいいお店。それに、なんといってもお料理が美味しいわ。

 あたくしはお肉料理のフルコース、ヴェガルドはお魚料理のフルコースを注文。ヴェガルドにテーブルマナーを教えながら、あたくしたちは一心不乱にお料理を平らげた。あたくしには珍しく、パンのおかわりもしちゃったの。

「惑星霊を召喚すると、ものすご~く魔力を使いましゅものね。今日は沢山使ったんでしゅね、ごしゅじんさま」

 テーブルの上でコロコロ転がりながら、ほんわか言うヨナスに指摘される。

「ええ、今日はちょっと大暴れしちゃったのよ…」

旅は道連れ編:アストリッド_episode12 つづく

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