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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」:episode14

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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」

旅は道連れ編:ヴェガルド語り_episode14

「ふわぁ~……」

 身体を起こして、大きなあくびをする。そして、朝日を浴びて痒い目をゴシゴシ擦る。

 うーん、気持ちよかったあ。ボク、こんな気持ちのいいベッドで寝たの、初めて。シーツの感触がスベスベして気持ちがいいの。

 村が吹っ飛ばされてみんな死んじゃってから、ずっとヒュトネンの森の動物……魔獣たちと暮らしてたでしょ。だから魔獣の背中の上とか腹の枕とかが、ボクの寝床だったの。アレはアレで心地よかったけど、ベッドのほうが寝やすいや。だって動かないもん。

 村で暮らしていた頃は、たぶんベッドで寝てたと思うんだけど、もう忘れちゃった。

 ベッドを出て、ボクは両腕を上に伸ばして身体を伸ばす。すっかり疲れも取れたみたい、良かった。

「ヴェガルド、起きてますか? 入りますわよ」

 ノックがして、アストリッド様が入ってきた。

「きゃあ!!」

 ボクを見て、いきなり悲鳴を上げて後ろを向いちゃった。……なんで?

「は、はしたないっ! ちゃんと下着と寝間着を着て寝なさい全く!!」

 そう怒鳴って、アストリッド様はドアをバッターンと閉めると、足音を轟かせて行っちゃった。

 そいえば、裸で寝てたんだった。だって、服って窮屈なんだもん。寝るときは誰もいないし、裸で寝てもいいよね、別に。

 グゥゥゥゥ…。

「あ、お腹鳴った」

 朝ごはん、朝ごはん。ボクはしょうがなく下着を履いて、昨日買ってもらった服を着た。やっぱり、服って窮屈だなあ。

 アストリッド様に教えられたとおり、鏡の前で髪をとかす。抜け落ちた髪の毛はゴミ箱に捨てて、ブラシについた髪の毛もゴミ箱に捨てる。洗面器に水を入れて顔を洗って、歯をしっかり磨く。

「よし、仕度出来た」

 これで怒られないぞ。

 ボクは意気揚々と、食堂へ降りていった。

「おはよう、アストリッド様」

「”おはようございます”、ですわよ。――おはようございます、ヴェガルド」

「おはよ~ございましゅ」

 もうテーブルについているアストリッド様と、アストリッド様の肩に乗っているヨナスが挨拶を返してくれた。

 ボクはアストリッド様の向かい側の席に座る。

「よく眠れましたか?」

「うん、とっても気持ちよかったよ」

「それは良かったですわね」

 そう言ってにっこり笑う顔は、あの、鬼のようなアストリッド様とは別人に見える。普段からそうしてればいいのに、って思う。

「オーッス」

 大きな口を開けてあくびをしながら、ヘリュさんが眠たそうにやってきた。

「おはようございます。朝から品がありませんことよ」

 眉間に皺を刻んで、アストリッド様がたしなめる。

「オレ、朝早いの苦手なんだよ……普段は、昼に起きるから」

 ボクの隣の席にドッカリ座ると、ヘリュさんはまた大あくびした。ホント、眠そう。

「もう7時を回りましたわよ、けっして早くなんてありません。あたくしの下僕になったのなら、毎日しっかり規則正しい生活をしていただきますわ」

「……がんばりまーふ」

 全然頑張りそうもない返事。でも、そこがヘリュさんらしいと、ボクは思っちゃった。

 ボクは正面のアストリッド様と、隣のヘリュさんをじっと見る。

 アストリッド様の髪の毛って、とっても特徴がある。前髪の部分が、後ろの髪の毛よりも薄い色をしているんだよね。ヘンじゃないけど、不思議だなって思う。

 わざとそうしているのか、生まれつきなのか、今度聞いてみようっと。

 そしてヘリュさんも、とっても特徴があるの。全体的にくすんだ濃い金髪なんだけど、毛先だけが赤毛。前髪も、ツインテールにしている毛先も赤毛になってる。もしかして、魔術師って髪の毛に特徴があるのかな? くすっ、なんだか面白いね。

「なんですのヴェガルド、ニヤニヤしちゃって」

「えっ、いえ、なんでもないよ」

 危ない危ない、顔に出ちゃってたんだ。気をつけよっと。

「おかしな子。ほら、朝食が来ましたわ」

旅は道連れ編:ヴェガルド語り_episode14 つづく

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