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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」:episode25

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アストリッド様と「行くわよ愉快な下僕たち!」

旅は道連れ編:アストリッド語り_episode25

 お、落ち着くのよアストリッド。相手が変人だから、きっと錯覚したんだわ。どちらも動いているのですもの、外したんだわ。なのに…

「もういっちょベフォール!!」

 今度は当たったわよ! なのに……

 うっそおおお!?

 雷はちゃんとエイステインを貫いていったのに、この男、何故感電死しないの!? どうして元気に自転車漕いでいるの!

「あはは~、さっきから雷落ちてくるけど、晴れてるのにヘンだね~」

「イヤ、ヘンなのはテメーだろ…」

 あたくしの代わりに、ヘリュが真顔でツッコむ。

 ああ…あたくしの魔術が通用しない。間違いなくこの男、妖精族なのよ。ええ、きっとそう。だって妖精族は魔術を無効化する力を持つ者がいるって、先生から聞いたことがあるし。

「あー、そーそー、コレも一緒に旅に加えてね~」

 エイステインは下の方をツンツン指差している。

 あたくしは指し示すほうへ疲れた顔を向け、そしてギョッと目を剥いた。

「ちょっと、人、人っ!」

 自転車の後輪に長いロープが結ばれていて、その先には人間が括りつけてありました。意識がナイのかしら、ブラーン、ブラーンと風に揺らされているだけ。

「アレ生きてんの??」

 ヘリュも窓の外を覗き込み、誰に言うともなく呟く。死体なんてお断りよっ!

「うん。腹減ったから、動かないように寝てるんだって~」

「……」

 寝てるってアナタ、寝てるってアナタ……。空腹を耐えるために、宙吊りになりながら寝てるって、

「どういう神経してますのよーーーーーーーーーっ!!」

 あたくしは天に向かって吠えました。

 風光明媚な景色を楽しみながら、トロッコ列車の旅を楽しむつもりでしたけど。空中を自転車に乗って颯爽と現れた、謎の変人エイステイン・イヴァルセイなる男と、自転車に括りつけられた謎の人物の登場により、あたくしたちはただただ、唖然と終点ハフト村に着きました。

 無用な衆目は集めまいと心がけているというのに、エイステインのせいで大注目されているじゃありませんか!

 トロッコ列車を降りたあたくしたちは、小さな駅の改札を出たところで、再びエイステインに捕まりました。

 紳士風の出で立ちをしていますが、身の丈2メートル以上はありそうな長身で、ヘラヘラと笑いを貼り付けた顔で大声であたくしたちを呼ぶんですもの。駅前広場に集まる人々が、何事かとエイステインとあたくしたちを見ていますわ。しかも、自転車に括りつけられていた者を、片手で引きずってきているし。笑顔で…。

「なあ、そいつまだ寝てんのか?」

 ヘリュがエイステインの後ろにまわり、動こうとしない者を指差す。

「たぶん~、美味しい匂いを嗅がせると、目を覚ますと思うんだよね~」

 朗らかに言って、エイステインは近くにある露天に顔を向ける。その露天では、目にも鮮やかで可愛らしいクレープが売られていました。もしかして、このあたくしに買えと言いたいわけ?

「吾輩お金なくってですねえ、是非とも美しいレディに買ってほしいなあ、なんて~」

「ごしゅじんさまあ、たかられてましゅ」

 本当にっ!

旅は道連れ編:アストリッド語り_episode25 つづく

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