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片翼の召喚士-ReWork-:episode383

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片翼の召喚士-ReWork-

 モナルダ大陸戦争開戦へ編:episode383

 突然股間に激しい痛みが走り抜けて、ベルトルドは文字通り跳ね起きた。

 声にならない声を発しながら悶絶し、ベッドに突っ伏して痛みに耐える。

 一体何故こんなに股間が痛むのか、ベルトルドは訳も判らない。子供みたいに泣き出したいのを堪えて、身体を小刻みに震わせた。

「ふー、すっきりしたあ」

 ご機嫌でホッとしたようなキュッリッキの声が聞こえ、ベルトルドはベソをかいた顔を向けた。

「リッキー……」

「あ、ベルトルドさんおはよー」

 愛らしい朗らかな笑顔が向けられる。

「股間がな……猛烈に痛いのだが……」

「ごめんなさーい、ベルトルドさん中々起きてくれないから、思いっきり膝蹴りしちゃったの」

 てへっと首をすくめて、ぺろっと舌を出す。

 悪びれないその可愛い仕草もたまらないのだが、さすがにこれはキツイ。

 男の股間を蹴り上げる行為が、相手にどれほどの苦痛を与えるかなど、キュッリッキには想像もつかない。

「ちなみに、こんな芸当をドコで覚えてきたのかな?」

 苦しげに微笑みながらベルトルドが問うと、

「ルーさんに教わったの。痴漢撃退方法でもっとも有効なんだって。男の人にはばっちり効果が現れるから、チョーオススメって言ってたよ」

 どこか得意げなキュッリッキに精一杯微笑みながら、ベルトルドは心の中で拳をこれでもかと握り締めていた。殺意がみなぎる。

(ルー………ぶっ殺す!)

「さすがにもう起きてくださいな! 2人とも!」

 そこへ乱暴にバンッと扉が開いて、アルカネットが顔を出した。

「おや、起きていらしたんですね」

「おはよう、アルカネットさん」

「おはようございます、リッキーさん」

 キュッリッキに優しく微笑むと、ベッドの上でうつ伏せに悶絶しているベルトルドに冷たい視線を送る。

「おなかでも痛いんですか?」

「いや……ちょっと」

「アタシが思いっきり股間を蹴っちゃったから、泣くほど痛いみたい」

「………」

 その言葉に、アルカネットの表情が瞬時に同情的に塗り変わっていった。

「――蹴られたことは不幸なコトでしたね…。さあリッキーさん、昨夜のお部屋で着替えていらっしゃい。朝食も用意してあるので、ちゃんと召し上がってくださいね」

「はーい」

 キュッリッキは元気に返事をすると、パタパタと小走りに部屋を出て行った。

 その後ろ姿を見送って、アルカネットはベッドに腰掛ける。

「何をしたんですか」

「何もしとらん!!」

 ベソ顔で思いっきり怒鳴るベルトルドを、アルカネットは疲れたように見やって首を横に振る。

「回復魔法頼む」

「はいはい」

モナルダ大陸戦争開戦へ編:episode383 つづく

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