片翼の召喚士-ReWork-:episode397

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 モナルダ大陸戦争開戦へ編:episode397

 ルーファスとマリオンの透視中継で、2人の微笑ましい場面を覗き見していたライオン傭兵団の仲間たちは、無粋なお邪魔蟲が露骨に割り込んで、自分のことのように悔しがった。唯一ザカリーだけは喜んでいたが。

 さらに、サイ《超能力》使いのダエヴァたちの幾人かが、ルーファスとマリオンの中継をキャッチし覗き見に加わっていた。メルヴィンとキュッリッキのことをよく知らないため、ナマの濡れ場を期待していただけに、激しくガッカリしていた。

 しかし一番悔しかったのは。

「ベルトルドさんとアルカネットさんのバカああああ!!!!」

 キュッリッキは手当たり次第室内のものを手にして、2人の大人に怒り任せに投げつけ泣き喚いた。こんな行動に出るキュッリッキは初めて見るので、ベルトルドもアルカネットも本気で驚き慄いていた。

「バカバカバカバカバカバカバカあっーー!!」

「落ち着けリッキー」

「落ち着いてください、リッキーさんっ」

 ルーファスが指摘したように、キュッリッキには働かない絶対防御でかわすことができず、ベルトルドは身をくねらせて、コントロール抜群の物体を避けていた。

 アルカネットはベルトルドをうまく盾にしていたが、ついにティーカップが額に直撃して、うずくまってしまった。

 フェンリルとフローズヴィトニルは、自分たちが投げられるのを避けるため、テラスに出て避難完了である。

 特別室ということもあって、色々な置物が揃っていたが、ついに投げるものがなくなったキュッリッキは、肩を怒らせたままベルトルドとアルカネットを激しく睨みつけた。

「リッ…キー……?」

 ベルトルドは腕で顔を庇いながら、恐る恐る声をかける。フルフルと口を震わせ、キュッリッキは大きくしゃくり上げると、その場にペタッと座り込んだ。そして2人をバカ呼ばわりしながら、宿中に轟くほどの大声で泣き喚きだしてしまった。

 8月6日、まだ夜も明けきらぬうちに、ハワドウレ皇国将軍ブルーベルの名で、逆臣軍との開戦の報が、全世界へ発信された。

 モナルダ大陸戦争開幕である。

モナルダ大陸戦争開戦へ編:episode397 つづく

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