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 エルアーラ遺跡編:episode416

 世界は一度滅んでいる。1万年前に起こった事象により、全滅とまではいかないが、文明も人間たちも相応の被害を受けた。とくに惑星ヒイシは被害がより大きかったという。

 9千年の空白の時を経て、人間たちの歴史は千年前より再開した。その空白期間に何があったのか、それを記してある物もなく、知っている者もいない。

「何故千年前に、歴史は再開したのだろう?」

 そこに疑問を持ったことが、ヴェイセル・アハヴォ・メリロット王子の全ての始まりだった。

 ソレル国王家はハワドウレ皇国を興したワイズキュール家に味方し、共に戦った功から、現ソレル王国領土の統治を任され、子爵の称号を賜ったことに端を発する。そう歴史では言われている。

 表面上はそれで間違いはなかったが、メリロット子爵家は1万年前惑星ヒイシを治めていた、ヤルヴィレフト王家の末裔だった。分家筋ではあったものの、細々とその血を受け継いでいる。

 現ソレル王国の領土を賜るときは、あえてその土地を願い出た経緯がある。先祖の治めていた国の首都があった場所だからだ。

 初代メリロット子爵は歴史が好きだった。遺跡が多く、歴史的価値のある土地柄だったこともあり、当時のワイズキュール家は快く願いを聞き入れて統治を任せた。それから暫くして友好的な話し合いにより、他の小国同様属国である立場にはかわりはなかったが、メリロット子爵領地はソレル王国として独立を果たす。

 それからの初代ソレル国王は、統治の傍ら歴史の探求に余念がなかった。王の趣味に導かれるように次第に歴史学者たちも集い、学生も増え、ソレル王国は遺跡の観光と歴史研究者たちで賑やかな国になっていった。

 歴史好きな先祖の血を受け継ぐヴェイセル・アハヴォ・メリロット王子も、玉座よりも歴史が大好きな少年で、帝王学より歴史を学ぶことに全力を注いでいた。書物や講義を楽しむ一方、探検もまた熱心で、臣下の目を盗んでは王宮を抜け出して遺跡を見に行っていた。

 好奇心旺盛な王子があまりにもこっそりと王宮を抜け出すものだから、王子の身を案じた父王により、王宮から出ることを禁じられてしまった。

 王子は王宮の外に出られないことに落胆したが、しかしとどまるところを知らない好奇心は、王宮の中へも向けられた。

 王宮は首都アルイールの中でも一際高く盛られた丘の上に建っている。権威を示すなら絶好の場所であるのは確かだが、王子は王宮の地下を探検している時に、超古代文明の遺跡をそこに発見した。

 国の随所に残る、原型をとどめていない遺跡のほとんどは、歴史的価値がある程度であまり重要ではなかった。誰もが見て触れることのできる殆どは、廃墟と化している。

 学術的にも技術的にも貴重であり、現在丸ごと状態を保っていて、その機能を全て稼働させている遺跡の中には、ハワドウレ皇国の皇都イララクスにあるハーメンリンナが有名だ。

 そうした超古代文明の遺跡は世界中にいくつかあるが、それらは全てハワドウレ皇国が接収し、アルケラ研究機関ケレヴィルの管轄に置かれていた。

エルアーラ遺跡編:episode416 つづく

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