片翼の召喚士-ReWork-:episode417

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 エルアーラ遺跡編:episode417

 しかし王宮の地下の遺跡は、ハワドウレ皇国には見つかっておらず、また城内の者にも知られていないようだ。おそらく初代ソレル国王は、この遺跡を隠蔽する目的もあって、ここに王宮を建てたのだろう。

 王子の生まれ持ったスキル〈才能〉はサイ《超能力》。レアスキル〈才能〉の一つで、いずれこの国の王となる身には、あってもなくても構わないモノだ。王子は機械工学のスキル〈才能〉を持って生まれたかったと、これほど嘆いたことはない。

 遺跡には機械を用いた部屋が幾つかあり、それらを操作すればこの遺跡の謎も、知りたい情報も得られるかもしれない。しかしこうした計器の操作は、機械工学スキル〈才能〉を持つ者や、そうした職に就いている者から教わるしかない。

 この遺跡の秘密は守らねばならなかったが、我慢しきれなかった王子は、やがて国の機械工学スキル〈才能〉を持つ者を数名こっそりと招き、遺跡に案内して操作を習った。そしてマニュアルを作らせると、自らのサイ《超能力》を使って永遠に口を封じた。

 父王が身罷り国を継いでも、ヴェイセル・アハヴォは地下の遺跡に通い続けた。国王となったことで権力が自由になったぶん、王子であった頃よりも堂々と遺跡に通うことができた。

 ソレル国王家に代々伝わる古文書と、地下遺跡から得た様々な情報から、先祖であるヤルヴィレフト王家が、巨大なあるモノを建造していることを知った。そしてそれ自体は完成しているが、動力炉の設置にまでは至ってないことも知る。

 動力炉は自国のナルバ山の中に眠っていること、その動力炉はレディトゥス・システムと言われていることなどを知り得た。造った目的も知った。

 そうした情報から、ヴェイセル・アハヴォ国王の中に野心が芽生え始める。単に歴史が好きであった自分から、かつての栄光を、ヤルヴィレフト王家の復活を望むようになったのだ。

 復活を望み、それを確実に成し得る力となる存在、それがエルアーラ遺跡だ。

 今はその姿を地中に埋めているが、動力炉を設置すれば完全に起動する。

 正式名称をフリングホルニ、モナルダ大陸の3分の1の規模を誇る超巨大戦艦の名だった。

 ソレル国王とベルトルド、アルカネットのいる場所はフリングホルニの中枢部である艦橋、ドールグスラシルと呼ばれる場所だ。このドールグスラシルを押さえておけば、何もかもが上手くいくはずだったのだ。

 ドールグスラシルでのあらゆる機器の操作は、マニュアルを作らせている。素人のソレル国王でも一人で操作できるくらいに詳細なものだ。あとはナルバ山に派遣した兵士たちがレディトゥス・システムを運び込み設置すれば、フリングホルニは地中から浮上し、ハワドウレ皇国など一瞬で消し炭にできる。

 わざわざ戦争宣言などして表立って楯突いた行動にでたのも、すべては王としての矜持がそうさせていた。こそこそ不意打ちなどという行為は矜持が許さない。

 堂々と皇国を伐って至高の地位に就く。更に召喚士の娘キュッリッキを手にすれば、神の力を手に入れたも同然。あれほどの力を持つ娘を操れば、何も恐れるものなどない。

 ヤルヴィレフト王家の復活と神王国ソレルの復興、そしてヴィプネン族の王として君臨する。

「そんな筋書き通りの人生、成功するわけなかろう」

エルアーラ遺跡編:episode417 つづく

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