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片翼の召喚士-ReWork-:episode444

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片翼の召喚士-ReWork-

 エルアーラ遺跡編:episode444

 ふんぞり返って威張るベルトルドに、シ・アティウスとヒューゴの乾いた視線が投げかけられる。

「それに尊敬し奉り、ありがたく思いながら即刻あの世へ逝け。この艦(ふね)は俺のものだからな!」

「本当に傲岸不遜ですねあなたは。だがここに手を出すのは止めたほうがいい、この艦がどんなものか判っているのであれば」

 顎を引いて真剣な眼差しになり、ヒューゴはベルトルドを見つめる。

「この艦はまだ未完成だ、起動装置が運び込まれていないから。そして起動装置を運び込むことも止めてほしい」

「フンッ! 止めるくらいなら初めからこんなところまで足を運ぶか馬鹿者」

 ヒューゴは苦虫を噛み潰したように、口元を小さく歪める。

「ヤルヴィレフトに連なる者以外が、この艦の意味を理解出来るとは思わなかった。――キミたちは、この艦がどういう目的で建造されたものか、知っていて使うと言い張るんだね?」

「当然だ」

 淀みなく挑戦的なベルトルドの笑みに、ヒューゴは目を眇めた。

「システムを支配しても、この動力部に装置が運び込まれない限り、この艦は動かないし本来の姿も現さない。――ここは最後の砦、何が何でも守るよ」

 スッと笑みの消えた顔で、ヒューゴはベルトルドをじっと見据えた。

「1万年も長々とご苦労なことだが、俺はとっととお前を片付けてリッキーの所へ帰らねばならん」

 ベルトルドは肩ごしにライオン傭兵団へ視線を向け、鋭い眼光を放った。

「ようやくお前たちの出番だ。しっかり仕事しろ」

 そう言われましても? といった表情で、ライオン傭兵団たちは困惑していた。

「残留思念って、どうやって始末すればいいんです?」

 ザカリーが恐る恐る片手を上げて質問を投げかける。

「あいにく祓魔師(エクソシスト)でもないし、神父や司祭でもないし、霊媒師でもないし、どうすれば…」

 シビルはぽてぽて尻尾を揺らしながら、本気で悩みだした。

「ニンニクと聖水かけると成仏するんじゃね」

 ギャリーが胡散臭げに言うと、

「やっぱぁ、太陽の光じゃないとだめぽくなぁ~い?」

 おどけてみせながらマリオンが続けた。

「ニンニクは擦りおろしと刻み、どっちが効果的なのー?」

 ハーマンが神妙に言うと、「臭うからそのままでいいだろ」とギャリーは肩をすくめた。

「搾り汁のほうが効き目が強そうだ……だがボクは搾る役は遠慮する」

「私も遠慮します」

 タルコットとカーティスが真顔で辞退した。

 次から次へとしょうもない発言が飛び交い、ベルトルドのこめかみに血管が数本浮き出た。

「俺が判るかボケエぇぇ!! 今すぐ殺らんと俺がキサマらをぶっ殺す!!」

 怒りのオーラが弾け、広間に轟く怒号が浴びせられた。

 あまりにも激しい剣幕に慄いて、あたふたとベルトルドの前に飛び出たライオン傭兵団に、

「あなた方も苦労しますね」

 そう無表情にシ・アティウスから労られて、みんな思い思い引きつった。――判ってるならナントカしてくれ。

「あっはははは、面白い人たちだね」

「そう笑わないでください。お金と自分の命は大事です」

 ちなみに次点は愛です。と、キリッとカーティスが言い切る。その様子にヒューゴは再び笑った。

「さて、ボクの倒し方は判ったかな? こう見えてボクは強いんだよ。なんせユリディス付きの騎士に選ばれたくらいだからね」

 ヒューゴが身体を覆っていた光を払うように手を薙ぐ。

 光の粒子が弾けて霧散すると、豪奢な銀色の鎧が輝き、ふわりとマントが舞い上がった。そして腰に佩いていた剣をゆっくりと抜き放ち、剣先をライオン傭兵団に向けた。

「我が剣グラムがお相手いたす」

エルアーラ遺跡編:episode444 つづく

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