032 第三章 求めるもの 謝罪

とっても久しぶりにライオン傭兵団のみんなが再登場です(・ω・)

そしてゆるゆると進行していた第3章も、そろそろ終わりが見えてきました~。さすがに大怪我した主人公を、パパッと治った状態で出すのは、あまりにもリアリティがなさすぎるんで・・・。

ほんの少しずつですが、話の根幹に関わること、主人公の過去の一旦、だいじなことは盛り込んできているつもりです。

3章が終わればまた忙しい物語になっていきます。まだあと少し3章は続きますので、宜しくお願いします。




ALCHERA-片翼の召喚士-
第三章 求めるもの 謝罪 032



 このところ日中そばにいるのはメルヴィンだった。ルーファスも同席しているときもあれば、出かけていることもある。常に付き添ってくれていたのはメルヴィンだ。

 それが今日は珍しくメルヴィンは出かけていて、ルーファスだけがキュッリッキのそばにいる。

 ベッドのそばの椅子に座り、長い脚を組んで雑誌を広げてみている。読んでいるのは毎度のアダルト雑誌。女性の裸体写真やら水着の写真などが惜しみなく掲載されているものだ。

「このエロ雑誌は優秀なんだよ! 本当はナマに勝るものはないんだけど、四六時中ナマを拝めないでしょ。これ未修正だし高いだけあって見応え充分!」

 ハンサムな顔をにやけさせながら、かつてルーファスはキュッリッキに力説した。

 力説されても困ることだが、ルーファスが見ているアダルト雑誌のほとんどが、ベルトルドの部屋から拝借してきたものだということが、キュッリッキの気分を複雑にさせた。

 ――ベルトルドさんもあんなふうに、あの雑誌をみてニヤニヤしてるのかな…。

 それを想像すると、自然とキュッリッキの顔に嫌悪の色が広がっていった。

 後にそれがベルトルドにバレて、ルーファスはこっぴどくベルトルドから叱責される羽目になる。もちろん雑誌を勝手に持ち出したことではなく、キュッリッキにバレてしまったことにだ。

 キュッリッキは何度も何度も顔を上げては、すぐ俯かせていた。雑誌に集中しているルーファスはその様子に気づかない。

 もう何度目になるか、意を決したように顔を上げると、キュッリッキはルーファスに声をかけた。

「ルーさんあのね、ちょっときいてもいいかな」

「ん? どうしたんだい?」

 雑誌から顔を上げると、ルーファスはにこやかにキュッリッキのほうを見る。

「えっとね……」

 左手でシーツを掴んだりはなしたり、視線をそわそわと泳がせたりと、はっきりしないキュッリッキを、ルーファスは辛抱強く待つ。

「あのね、……えっと、メルヴィンには……んと」

 だんだん白い頬が紅葉していく。

「うん?」

「その……付き合ってるひとって、いるの、かな…」

 言ってさらに顔を紅潮させた。髪の毛で隠れて見えないが、おそらく耳も真っ赤に染まっているだろう。

 ルーファスはたっぷりと間を置いたあと、内心「はは~ん」と大きく頷いた。

 ベルトルド邸にきてから、少しずそんな予兆はあった。

 ベルトルドとアルカネットが夜はがっちりガードしているし、何やら愛の告白のようなことを言ったという。でもキュッリッキからは二人に対して、そうした恋愛の雰囲気は一切感じられなかった。

 むしろメルヴィンに向けて、どこかはにかむ様な、可愛らしい雰囲気を匂わせているのは感じられていた。とくにここ数日は傍から見ていてもよく判るくらいに。

 そういうことには鈍感なメルヴィンは、全く気づいていないようだったが。

「そーだなあ、オレは聞いたこともないし、女の影は全然感じられないなあ」

 その言葉に、キュッリッキの目が期待に大きく見開かれる。

「ホント!?」

「うん。あの堅物のメルヴィンにカノジョがいたりしたら、すぐにバレバレだからね~。隠れて付き合えるほど器用じゃないからな」

 ルーファスがにっこり笑うと、キュッリッキは肩の力を抜いて、安堵し嬉しそうに口元をほころばせた。

 ――キューリちゃんはメルヴィンに恋をしちゃってるのね。

 それはとても微笑ましいことだった。しかし同時に、いまは遠くにいる親友を思うと、残念な気持ちにもなった。

 はっきりと口にしていたわけじゃないが、キュッリッキに気があるのは判っている。そしてメルヴィンも、どことなくキュッリッキを意識し始めている。

 二人の気持ちが通じ合えば、親友は完全に失恋するだろう。

 だが二人の想いが成就するには、特大の障壁が邪魔をするだろうな、とも思う。

 ベルトルドとアルカネットの、キュッリッキに向ける愛情が尋常ではないことはいやでも判る。ただのお気に入りや気まぐれで、キュッリッキをかまっているようには見えない。かなり本気なんだろうなと判るくらいだ。

 誰とどんな結末を迎えるのか判らないが、この不憫な少女が幸せになれるといいな、とルーファスは本気で願った。大事な仲間であり、妹のような存在なのだ。

 やがて正午を告げる厳かな鐘の音が、静かな部屋の中に鳴り響いた。

 ハーメンリンナ全体に轟く鐘の音だ。

 物思いにふけっていたルーファスは、鐘の音で意識を戻すと「そろそろかな」と呟いた。

「何が?」

 その呟きにキュッリッキが反応すると、

「もうじき判るよ」

 にっこりと言うルーファスの言葉に、ノックの音が続いた。

「失礼いたします。皆様いらっしゃいましたよ」

 リトヴァが笑顔で告げると、大きく開かれた扉から、ガヤガヤと賑やかな集団が姿を現した。

「ご無沙汰してますね、キューリさん」

 先頭をきって入ってきたカーティスが、にこやかに片手をあげた。

「みんな!!」

 キュッリッキは嬉しそうに声を張り上げると、咄嗟に身を乗り出しベッドから飛び出そうとして、均衡を崩して大きくよろめいて落ちそうになる。

「ちょ、キューリちゃん落ち着いて」

 慌ててルーファスがキュッリッキを抱き止め座らせる。

「なーんだよ、けっこう元気そうじゃねーか」

 ギャリーは身をかがめると、掌でキュッリッキの頭をぽんぽんと叩く。

「しっかしおまえまた一回り小さくなってねーか? ただでさえ凹凸の乏しい胸も、ついにまな板になっちまってよ」

「ちゃんとあるもん!!」

 キュッリッキは顔を真っ赤にして抗議する。

「キューリさんよかったご無事で~~」

「心配したんだよー!」

 シビルとハーマンが、ベッドに飛び乗ってキュッリッキに抱きついた。お互いこれでもかとフサフサの尻尾を振り回す。

「ありがとシビル、ハーマン。もう大丈夫だよ」

「キューリてめー、なんつー広いベッドに寝てるんだ! 俺様が大の字になっても余裕ありまくりじゃないか!!」

 いつの間にかベッドに飛び乗っていたヴァルトが、長い両腕と両脚を大きく開いて大の字になって寝そべっている。たしかにヴァルトのような長身が寝ても、余裕はたっぷりあった。

「これなら寝相が悪くても落ちませんね。広々といいベッドです」

 眼鏡をかけ直しながらブルニタルが羨ましそうに言う。

「でもね、ベルトルドさんとアルカネットさんに挟まれて寝てるから、アジトのベッドよりも狭いの…」

 キュッリッキがげっそりと言うと、

「あのドSどもと一緒に寝てんのかよ」

「おまえもうヴァージンじゃねーな!」

「スリープレイとか凄いやつだなおまえ」

「ちゃんと眠れてますか?」

「完全におもちゃにされてるな…」

「寝てる間にパンツ見られてるんじゃね」

「悪夢だけ毎日見そうですねぇ」

 皆口々に言いたい放題である。

「まあ、元気そうでよかった」

 フェンリルを肩に乗せたガエルが、キュッリッキの頭に大きな掌をのせた。

 掌から伝わってくるぬくもりに、キュッリッキは満面に笑顔を浮かべた。

 そんなキュッリッキや仲間たちの賑やかすぎる様子を見て、メルヴィンの表情も明るい笑みに包まれた。

 ソレル王国での一件以来、離れ離れになっていたライオン傭兵団のメンバーも、ずっとキュッリッキを心配してもやもやしていた。

 ルーファスやメルヴィンから日々彼女の様子の報告はもらっていたが、あの酷い惨状を目の当たりにしていただけに、直接会って確認し安心したかったのだ。

 そしてキュッリッキも、みんなに会いたい会いたいと言い続けていた。

 今回メルヴィンとルーファスの計らいで、皆をベルトルド邸に招いて対面が実現したのだ。その許可を得るために、メルヴィンがベルトルドに会い行き、留守にしていたのだった。

「俺が許可せずともどうせ呼ぶんだろう。ずっと会いたがっていたからなリッキーも」

 そう言ってベルトルドは了承してくれた。ほかならぬキュッリッキのためならば反対する理由はない。

 こうして3名を除いたライオン傭兵団員が一堂に会して、だだっ広い部屋の中がアジトの談話室のように様変わりしていた。

 ワイワイと賑やかになった部屋に、リトヴァをはじめとする数名のメイドたちが、豪華な料理の乗ったテーブルワゴンを押して入ってきた。

「飯だ飯だ!」

 匂いに反応してヴァルトは元気よくベッドから飛び降りると、ワゴンに飛びついて空の皿を手にとった。

「さあ! 俺様の皿にお菓子を盛るがいい!!」

「毒でも食べてろうるさい奴…」

 ペルラがため息混じりに言うと、ヴァルトが心底嬉しそうに目を輝かせた。

「お昼ですからね、ありがたくいただきましょうか」

 カーティスがそう言うと、みんなワゴンの周りに群がった。

「はい、キューリさんのぶん」

「ありがとシビル」

 大きな白い皿にはたくさんの料理が盛られていたが、キュッリッキはそれを久しぶりに美味しそうだと思った。いつもなら食べる前に匂いでうんざりするところだ。

 皆皿を手に思い思いの場所に座って食べ始めた。もごもごと口を動かしながらも、なにやら賑やかに会話が飛び交う。

 メイドたちも給仕に大忙しで、新しい料理や菓子の皿が次々と追加された。

「ああ、ルーファス、そろそろあちらと繋いでくださいな」

 ふと思い出したようにカーティスが言うと、忘れてた、とルーファスが舌を出す。

 それをキュッリッキが不思議そうに見ていると、

「イソラにいるザカリー、マーゴット、マリオンの3人と念話をつないでもらうんですよ」

 メルヴィンの説明に、キュッリッキの表情にサッと緊張のようなものが過ぎった。

「おっし、つながった。みんなー、声出して喋っても大丈夫だから」

 ルーファスの合図と同時に、

(おい大丈夫なのかキューリは!! 無事か!? 生きてるのか!?)

 けたたましいザカリーの声が、その場にいた全員の頭に喧しく轟いた。

「うるせーぞザカリー! ちったー静かに喋れ」

 ギャリーが即つっこむ。

(おめーなんか後回しだよ、それよりキューリ喋れるのか、まだ寝てるのか?)

 念話の声はイライラしていて、みんな「ヤレヤレ」と首を振った。

「アタシなら大丈夫だよ、ザカリー」

 キュッリッキは静かに答えた。

(ああ…よかった、ちゃんと喋れるんだな、大丈夫なんだな、よかった……)

 心底安堵したザカリーの声が、潮が引いていくように小さくなる。

(キューリちゃんよかったぁ~、元気になったんだねぇ)

 明るく間延びしたマリオンの声が割って入る。

(ザカリーは安心しちゃってぇ、ナメクジみたいに溶けてるよぉ~)

 多人数中継のため双方の映像までは念話で送受信出来ていなかったが、その様子が容易に想像できて、みんな大笑いだった。

 キュッリッキは苦笑をおさめると、真顔になって口を開いた。

「ザカリーは怪我、大丈夫なの?」

(オレ? オレは全然大丈夫だよ。もう包帯もとっぱらってるしピンピンしてるぜ!)

(うんうん。キューリちゃんを毎日思って、真ん中の脚もビンビンしてるもんねぇ~)

 マリオンがいちいち混ぜ返す。

(ばっ! うるさいよおまえは!!)

「ザカリー最低…」

(ちょっまて、別にビンビンは……たまにしてるが……いやいや、してないしてない)

「欲求不満男」

(うっせー格闘バカ!)

「娼婦のねーちゃんと遊んどけよ。帰ってきてキューリ見て襲いかからないように」

(だからそこまで飢えてねーよ! オレの心象最悪にするなおまえら!!)

(アタシで遊んであげよっか~?)

(死んでろブス!!)

(ブスって言われたあああ)

「そのくらいにしておかないと、キューリちゃんがこわ~い顔してるぞ」

 ルーファスの一言に、ザカリーとマリオンの悪態がピタリと止む。

 ふうっ、とため息をつくと、キュッリッキは膝の上の皿を見つめた。

「ザカリーの怪我、アルカネットさんの仕業なんでしょ」

 キュッリッキの言葉に皆がハッとなる。

「そりゃあの怪物の…」

 ギャリーの言葉が言い淀む。

 キュッリッキはギャリーを見て、ゆるゆると首を横に振る。

「もう大丈夫だから」

 怪物との一件でトラウマになっているかもしれないと、怪物のことには触れないようにしようと、アジトを出る前にみんなで決めてきた。しかしそれは無用な心配のようだった。

「ザカリーは遠隔射撃のスペシャリストでしょ、あんなデカイ怪物相手に至近距離で攻撃することはないし、離れていれば逃げられる。それに追いつかれる前にみんなが足止めするはずだもん。だからザカリーが怪我したってことは、アルカネットさんしかいないよ」

 ギャリーが嘘をついていると気づいたのは、イソラの町にいたときだ。アルカネットの殺意が本物であり、キュッリッキが必死に言っても殺意を引っ込めようとはしなかった。

 薬を飲まされたためそのあとのことは何も知らないが、ザカリーは怪我をしていると言ったギャリーの表情が、どこかやるせなさを滲ませていた。それを見たとき、ザカリーの怪我はアルカネットのしたことだと確信したのだ。

「アタシが心配しないように、みんなで気を遣ってくれたんだよね」

 気遣いは本当に嬉しかったが、それがよりキュッリッキの気持ちを重くさせた。

 もともとそういうことには勘が働きやすく、また当たりやすい。

 アルカネットがしたことは良くないことだと思うが、責めることは出来なかった。キュッリッキを思ってしたことだ。そしてザカリーに対しては、とても申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「ごめんね、ザカリー」

(おまえが謝ることじゃないだろ!!)

 ザカリーは思わずムキになって怒鳴る。

「アタシがいけないの。本当のこと話せないから。まだ、話せないから…」

 ザカリーとの間に溝を作った、自分の種族とコンプレックスのことを。

「気持ちの整理がついたら、ちゃんと話すから。みんなにもちゃんと話すから。だからもうちょっと時間をちょうだい……」

 泣きそうになるのを懸命に堪えた。こんなときベルトルドやアルカネットがいれば、思い切り泣けただろう。でも、いまは堪えなくてはならなかった。

 室内が静かになる。みんな黙ってキュッリッキの様子を見守った。

「……話の腰を折るようだけどよ、ちょっと質問いいかキューリ」

「なに?」

 遠慮がちに口を開いたギャリーに、キュッリッキが目を向ける。

「おまえあの神殿をずいぶん怖がってたじゃん。あの怪物が現れたり神殿の構造が変わっちまうこと知ってたのか? それで怖かったのか?」

「ああ…そういえば、キューリさんの怯え方は尋常じゃなかったですね」

 ブルニタルが記憶をたどるように呟く。

「んーん、アタシはなにも知らなかったよ。中に入ったらいきなり凄い揺れて、神殿の中が一瞬で迷路みたいになっちゃったし、急に目の前にあの怪物が現れたの」

 今でも思い出すとゾッとする姿の大きな怪物。

「なんかものすごく、怖い感じが神殿からしてたの。足がすくんじゃうくらい怖い気配みたいなもの。近寄っちゃいけない、危ないからって。そんな気がしてて」

「じゃあ具体的なことは判らずだったんだな」

「うん」

「私からも疑問が一つ。何故召喚しなかったんですか? それに私やベルトルド卿にあずけていた小鳥も消えちゃいましたし」

 カーティスは不思議そうに首をかしげる。

「召喚しなかったんじゃなくて、できなかったの。フェンリルもいきなり消えちゃったし、アルケラが見えなくなっちゃって」

 ガエルは肩に乗るフェンリルを見ると、フェンリルは悔しそうに喉を鳴らした。

「フェンリルが言うには、アルケラへ強制送還されちゃったんだって」

「フツーにそんなことできんの?」

 ルーファスに首を横に振って、キュッリッキは考えるように俯く。

「アタシたち召喚士は、アルケラを、アルケラという世界をこの目で視るの。そしてアルケラにいる住人をこちら側に招いて、用事が済んだらアルケラへ還してあげるのね。
 召喚士に招かれたアルケラの住人たちは、それがたとえ神様でも自由意思で暴れたり力を使ったり還ったりしちゃいけないルールがあるの。唯一の例外は、召喚士を守るために動くくらい。生命の危険とか危機に自発的に動くことが許される。でも人や環境に害を与えることは、自分たちの意思でおこなっちゃいけないの。そして呼び出した召喚士しか還すことは出来ないはずなんだけど……」

 フェンリルをあの場から排除するかのように動いた、なにかの力。

「フェンリルはね、神様なの。いまはこっちの世界で違和感ないように仔犬の姿になってくれているからそうは見えないと思うけど。そのフェンリルを強制的に排除して、かつアタシのスキル〈才能〉を封じ込めた力が、あの神殿にはあった」

「なるほど…」

 カーティスは腕を組むと考え込んだ。

 召喚士のスキル〈才能〉を封じ、神を排除する力。

(お聞きの通りです、ベルトルド卿)

(すまんな)

 途中からカーティスはルーファスとマリオンの繋いだ念話から、ベルトルドの念話に切り替わっていた。

(聞いたか? アルカネット、シ・アティウス)

(はい。随分と危険な代物のようですねあの神殿は)

(これで確証を得ましたな)

(こっからは秘密の会談だ。戻してやるからご苦労だったなカーティス)

(いえ。ではでは…)

 何やら気になる発言を聞いたところで追い出され、ルーファスとマリオンの念話に戻された。

 キュッリッキを慮って聞けずにいた、どうしても知りたかった今の事実を、この機会に聞かせてもらおうとベルトルドから念話が着て、いっときカーティスとベルトルドの意思が繋げられたのだった。

「まあ、もうあの神殿に近寄ることはないでしょうし、原因究明は我々には関係なさそうですね」

 ブルニタルがそう締めくくろうとすると、

(それがそうもいかねーみたいなんだよな)

 ザカリーが意味ありげに続く。

「どういうことでしょうか?」

(アタシらがこっちに残された理由はさあ、ザカリーのお守りもあるんだけどぉ~、ソレル王国とか近隣諸国の偵察とか諸々あったんだよねえ)

 ザカリーの言葉をついで、マリオンが説明に入る。

(もんのすごぉ~~~~く、キナ臭いんだよね、ソレル王国とその周辺)

「それってつまり……」

(ああ、戦争が近いってことだぜ)

 不敵な笑みを含んだザカリーの言葉に、皆の顔に緊張が走った。


第三章 求めるもの 謝罪 続く



031 求めるもの 嫉妬

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Comments 4

ふぉるて

こんばんは~(>ω<)>” わーい続きだ~♪

ふむふむ…キュッリッキちゃんはメルヴィンを意識していたのですね~
(とても大きな壁が…ありそうですね ><;)

傭兵団の皆さんがきて、一気ににぎやかになりましたね~
久々の賑やかな会話が楽しかったですw(>ω<)b

あの神殿には一体どんな秘密があるのか…気になってます~
またそろそろ忙しい展開になるのですね(><)>”

次回も楽しみです~♪
ではでは……☆

2014-06-06 (Fri) 02:38 | EDIT | REPLY |   

ユズキ

Re: タイトルなし

ふぉるてさんこんにちわ~(*´∀`*)

>キュッリッキちゃんはメルヴィンを意識していたのですね~

ふふふw 誠実で優しいですからメルヴィンは(´∀`)キュッリッキさんはそういうタイプに弱いようです(笑)
ベルトルドさんとアルカネットさん、全力で妨害するでしょう・・・(合掌)
中年の執念。

傭兵団の連中、見舞いにきてるんだか茶化しにきてるんだか言いたい放題です(・ω・)
でもあれでもちゃんと心配しているので(笑)
ドコへ行ってもあんな感じです(^ω^)

神殿の謎は大事なポイントなので、まだもう少し先にならないと明かされないですヽ(・∀・)ノ
神殿の方は先だけどソレル王国の動向にベルトルドさんたちが動き出します。暴れる御大を早く書きたいです♪

次回もがんばりまっす!

2014-06-06 (Fri) 14:11 | EDIT | REPLY |   

八少女 夕

おや

話が動きましたね。

そっか。キューリちゃんはメルヴィンかぁ。そりゃ、なおさらアルカネットさんにやられちゃわないでよかった、よかった。(なんて発言だ)
そうですよね。女があちこちにいるお方や、自分の中に他人を投影している人じゃないほうがいいですよね。

そして、傭兵団大集合。これは久々で嬉しかったな
フェンリルがさりげなくガエルさんにまっしぐらなのもちょっと微笑ましい。

神殿のことやら、戦争のことなど、きな臭くなってきましたね。
キューリさんもそろそろ籠の鳥は終わりにして、仲間のところに戻りたいんじゃないかな。
早い全快と次の展開をお待ちしています。

2014-06-07 (Sat) 04:44 | EDIT | REPLY |   

ユズキ

Re: おや

八少女さんこんにちわ~(*´∀`*)

おっさん二人はかなり本気ですが、キュッリッキさんには男女の恋愛観念での愛の告白には聞こえていなかったようです(^ω^)
寝てる間にヤラレちゃってました>< とかならなくて、ホントよかったです。

ガエルとフェンリルは、「男は黙ってサッ○ロビール」な関係です(どんなだ)
キュッリッキさんとのように阿吽の呼吸とまではいかないまでも、どこか通じ合うなにかがふたりの間にはあるのです☆

もうちょっとのんびりしたら、4章からはみんなドタバタ忙しくなっていきます(*´∀`*)
キュッリッキさんのふっか~つ! もあとすこしです♪

2014-06-07 (Sat) 17:01 | EDIT | REPLY |   

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