片翼の召喚士-sequel-:メルヴィンの故郷へ

  • ハワドウレ皇国元副宰相ベルトルドとの死闘から早一ヶ月、皇都イララクスは復興の只中で、ライオン傭兵団はキュッリッキの邸(やしき)に居候して過ごしていた。 ベルトルドの深い愛と優しさにより、キュッリッキは失っていた翼を取り戻す。そして今は、最愛のメルヴィンと共に静かな時を過ごしていた。

  • キュッリッキとライオン傭兵団の後日談、そして12年後の彼らの様子を綴っていく、召喚士キュッリッキのハードスペクタクル恋愛ファンタジー

  • キュッリッキ

    キュッリッキ(19)

    スキル〈才能〉:召喚・Overランク、アイオン族

    一人称:アタシ。レア中のレアとされる召喚スキル〈才能〉を持つが、真の名称はアルケラの巫女。

    多くの苦労を重ね、ベルトルドやライオン傭兵団と出会い、短期間に数多くの試練をくぐり抜け、失っていた片翼を取り戻し、最愛のメルヴィンと結ばれた。本作の主人公。

  • その他の『登場人物紹介はこちら』

スモーキングルーム

片翼の召喚士のギャリーはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
ギャリー

ガッチガチに緊張してたな、キューリのやつぁ

片翼の召喚士のタルコットはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
タルコット

ついにメルヴィンの親に対面だしね

片翼の召喚士のシビルはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
シビル

挨拶するとき、噛み噛みにならないか心配になってきちゃったですよ

片翼の召喚士のペルラはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
ペルラ

キューリの場合は、それも可愛い愛嬌になって、逆にイイ感じになりそう

片翼の召喚士のランドンはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
ランドン

キューリの天然ボケはアルカネットさん公認だしね

片翼の召喚士のカーティスはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
カーティス

泣いて帰ってこないといいんですが…

片翼の召喚士のマリオンはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
マリオン

だいじょぶよぉ~。一応メルヴィンもいるんだしぃ

片翼の召喚士のルーファスはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
ルーファス

メルヴィンってところがちょっと心配だけどネー

片翼の召喚士のザカリーはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
ザカリー

おめーら失敗したらイイとか思ってんだろ……

後日談編:メルヴィンの故郷へ

「忘れ物はないか?」

「うん。アリサが詰めてくれたから大丈夫だと思う」

 ギャリーはカバンの中身を覗き込み、忘れ物はしていないかチェックしている。

「お土産は?」

 タルコットも同じように覗き込む。

「メルヴィンのカバンに入ってるよ」

 キュッリッキはメルヴィンのカバンを指さした。

「ハンカチとちり紙は、服のポケットに入れておくと安心ですよ」

「バナナは持った~?」

 カーティスとハーマンの言葉に、キュッリッキはハッとなる。

「バナナはいりませんよ、リッキー…」

 またみんなに遊ばれているキュッリッキに、メルヴィンはヤレヤレと頭を振る。

 今日はついに、メルヴィンの実家へ行く日だ。

「実家までは遠いのか?」

 つまらなさそうにしていたザカリーが問うと、

「割とすぐです。エグザイル・システムからオレの実家まで、徒歩10分くらいですから」

「うへ…、便利なところに住んでたんだなあ」

「さほど広い街ではありませんしね」

「オレらんとこは、こっからだと汽車だし、結構歩くんだよな。馬車捕まんねーと」

「そうそう。もうちょっと駅馬車の数増やしてほしいよねえ」

 ギャリー、ルーファス、ザカリーの3人は同郷で幼馴染だ。

「さてリッキー、行きましょうか」

「はーい」

「では、一週間ほど留守にしますね」

「キューリちゃんガンバッテ~」

「いってらー」

「いってらっしゃーい」

 みんなに見送られ、キュッリッキとメルヴィンは出発した。

 メルヴィンの実家までは、エグザイル・システムで飛んで、徒歩10分で着くという。殆ど近場に出かけるくらいのお手軽さだ。

 エグザイル・システムの順番待ちをしながら、キュッリッキはそわそわと落ち着かない。

「今日は目が覚めてから、ドキドキが止まんないよう」

 キュッリッキは両手をギュッと握り締め、額に冷や汗をかいていた。

「そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。もっと気楽にして」

「だって、メルヴィンのおとうさんとおかあさんに会うんだよ、緊張するもん」

 キュッリッキの様子を見ながら、実際はそういうものかな、とメルヴィンは思う。

 自分は両親と普通に家族関係でいるからいいが、キュッリッキは両親と絶縁している。戸籍に入れられていないし、捨てられている。

 もしキュッリッキが家族と円満に家族関係をもっていれば、メルヴィンはキュッリッキの両親に「娘さんをください」と、頭を下げることになっていたのだ。

 そんなことになっていたら、やはり自分もこんなふうに緊張に塗り固まって、生きた心地がしないのではないだろうか。

「今日明日辺りは何やら賑わいそうですが、以降は街を案内します。それを楽しみに頑張ってください」

「う、うん」

「次の方どうぞ」

 エグザイル・システムの壇上前で整理をしている係員から声がかかり、キュッリッキとメルヴィンは壇上へとのぼる。

「さあ、行きましょう」

 メルヴィンはアッペルバリ交易都市の首都、ムルトネンのボタンを押した。

 ワイ・メア大陸の西の方にあるフロックス群島に、商人たちが築いた国、アッペルバリ交易都市がある。

 国としての規模は小さいが、貿易で成り立っている国で、特に海路での貿易が盛んである。島の一つと大陸は巨大な橋で繋がっていて、陸路での交易も行われていた。

 国は有力な商人たちによる評議会が治めていて、体裁は自由都市と変わりがない。しかし、エグザイル・システムを有しているので、アッペルバリ交易都市は『国』として扱われているのだった。

「久しぶりに帰ってきたなあ…。んー、15年ぶりかな?」

 エグザイル・システムの建物を出ながら、メルヴィンは懐かしそうに周囲を眺める。

「ついに、きちゃったよ…」

 カバンを胸に押し当てるように抱きしめ、キュッリッキはおっかなびっくり足を進めている。

「さあ行きましょう、リッキー」

 メルヴィンが差し出した左手をキュッリッキは握って、緊張に緊張した顔を上げた。

 アッペルバリ交易都市の首都をムルトネンと言う。元々このムルトネンから国は興り、当初はムルトネン交易都市、と呼ばれていた。しかし国土が広がり、国力をつけてくると、改めてアッペルバリ交易都市と名を変え、ムルトネンは首都名となった。

「全然変わらないなあ。新しくできた問屋や商店はあるけど、街の様子は15年前とあまり変わってないです」

 街中だと言うのに倉庫があちこちに建っていて、問屋や商店がとにかく多い。至るところには露店が軒を連ね、商人たちが交渉を盛んに行っている。

 ムルトネンは海辺の街でもあるので、船から荷揚げされた荷物を運ぶ馬車の往来も盛んだ。

「なんだか忙しそうな街だね」

「ええ、夕方まではドコも大忙しですよ、毎日。天候が悪かろうと関係なく」

「うわあ…」

 活気がありすぎである。

「武器持った人達がいっぱい歩いてるけど、アレが用心棒?」

「そうです。荷物や商隊の護衛などをしています。この国で傭兵は、あまり見かけないと思いますよ」

「縄張りとかの結束が強そうだね…」

 用心棒という独自のシステムがあるのなら、世界中に居る傭兵たちの出番はなさそうである。そしてこの国には傭兵ギルドがない。ギルドが進出していないということは、傭兵の需要がほぼナイということだ。

 この国で傭兵が仕事をしているところを見ることがあるとすれば、他国で雇われて送り届けてきた、というくらいだろう。

 メルヴィンからこの街の話などを色々聞きながら、キュッリッキはついに到着した。

「着きましたよ。ここが、オレの実家です」

-つづく-


ユズキのファンタジー工房

あとがき

当初はブログ掲載はナシにしようと開始しましたが、諸々考え直して、ブログ内掲載もしていくように変更します。予告用に作った記事は、再編集して小説も加えて再投稿していきます。よろしくお願いします。


初出:2019/07/16

記事再編集:2019/12/11

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管理人:ユズキ

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