片翼の召喚士-sequel-:ライバル出現?

  • ハワドウレ皇国元副宰相ベルトルドとの死闘から早一ヶ月、皇都イララクスは復興の只中で、ライオン傭兵団はキュッリッキの邸(やしき)に居候して過ごしていた。 ベルトルドの深い愛と優しさにより、キュッリッキは失っていた翼を取り戻す。そして今は、最愛のメルヴィンと共に静かな時を過ごしていた。

  • キュッリッキとライオン傭兵団の後日談、そして12年後の彼らの様子を綴っていく、召喚士キュッリッキのハードスペクタクル恋愛ファンタジー

  • キュッリッキ

    キュッリッキ(19)

    スキル〈才能〉:召喚・Overランク、アイオン族

    一人称:アタシ。レア中のレアとされる召喚スキル〈才能〉を持つが、真の名称はアルケラの巫女。

    多くの苦労を重ね、ベルトルドやライオン傭兵団と出会い、短期間に数多くの試練をくぐり抜け、失っていた片翼を取り戻し、最愛のメルヴィンと結ばれた。本作の主人公。

  • その他の『登場人物紹介はこちら』

スモーキングルーム

片翼の召喚士のフローズヴィトニルはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
フローズヴィトニル

チョットー! ボク置いてかれちゃったんだけど><!

片翼の召喚士のマリオンはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
マリオン

あらあらあ~

片翼の召喚士のランドンはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
ランドン

台所に入り浸って、お菓子をおねだりしてるからだよ

片翼の召喚士のフローズヴィトニルはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
フローズヴィトニル

そ、そんなコトしてないよボク!

片翼の召喚士のザカリーはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
ザカリー

ホントかあ? ホレ、前より重くなってんぞ

片翼の召喚士のフローズヴィトニルはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
フローズヴィトニル

重くなってないもん!

片翼の召喚士のカーティスはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
カーティス

あのハンサムでおっかないあなたのお父さんに、告げ口されたらマズイんでしょ?

片翼の召喚士のヴァルトはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
ヴァルト

消されちまうな!

片翼の召喚士のフローズヴィトニルはユズキのファンタジー工房オリジナル小説のキャラクター
フローズヴィトニル

バラしちゃヤダあああ><!

後日談編:ライバル出現?

 首都ムルトネンは、南と北に海、東と西に山に囲まれた街である。

 この街の住宅地は、それぞれ東西に分かれて建ち、東側の住宅地にメルヴィンの実家は建っていた。

 朱塗りの大門を開けて中に入ると、狭い通路を通って庭のような場所に出る。

「お客人か?」

 庭の先にある小さな門の前に建っていた男が、長い棒を携え近寄ってきた。

「門番ご苦労様。オレはメルヴィン、父のアリスターに取次をお願いします」

「え? 御子息様ですか!? は、はいっ! すぐに」

 男はびっくり仰天した顔で一瞬飛び跳ねると、緊張を貼り付けた顔で回れ右をしてすっ飛んで行った。

「ねえメルヴィン、自分のおうちなのに、自由に入れないの?」

 不思議そうな顔で見上げてくるキュッリッキに、メルヴィンは小さく苦笑した。

「15年ぶりなので、家族以外でオレのことを知ってる人ってタブンいないと思うから。それでいきなり入っていったら大騒ぎになるので、一応客人として」

「そうなんだあ…」

 キュッリッキにはよく判らない習慣である。

 街の建物や人々の服装など、どことなくコケマキ・カウプンキに似ているなとキュッリッキは思っていた。

 暫く待っていると、さっきの男が慌ただしく戻ってきた。

「大変お待たせしてしまいました。ささ、どうぞお入りください御子息様」

「ありがとう」

 男の後をついて小さな門をくぐると、とても広い庭に出た。

「うわあ~」

 長方形の広々とした大きな庭は、ヴィーンゴールヴ邸の庭よりも広い。そして、中央には十字路の石畳が敷かれ、四方のマス目には水が張られて睡蓮の葉が浮かんでいる。

「す、凄い」

 庭以上に圧倒されるのは、左右に大きな屋敷がそれぞれ建ち、奥の突き当たりには更に大きな屋敷が建っている。

 左右の建物からは、掛け声のような威勢のいい声が絶えず轟いて、武器の打ち合う音がしていた。

「行きますよ、リッキー」

「う、うん」

 圧倒されていたキュッリッキは、小走りにメルヴィンの後に続いた。

「師範! 失礼いたします。御子息様をお連れいたしました!」

 男が建物に向かって声を張り上げると、少しして背の高い男が姿を現した。

「ご苦労、戻ってよい」

「はっ!」

 案内してきた男は礼儀正しく姿勢を伸ばし、きっちり頭を下げたあと、駆け足で戻っていった。

「お久しぶりです、父上」

「15年ぶりか。よく我が家を忘れていたものだ」

 メルヴィンの父アリスターは、顔が息子とよく似ており、メルヴィンが歳を取るとこうなる、といった感じでキュッリッキはドキドキとアリスターを見上げた。

「そちらのお嬢さんが、手紙にあった方だね。――遠いところよく参られた。さあ、中へお入りなさい」

 柔らかな声で歓迎されて、緊張が最高潮に達しているキュッリッキは、

「ふつつかな嫁ですが、よろしくお願いします!!」

 そう、その場に土下座して頭を下げた。

 次の瞬間、「ブッ」と同時に吹き出す音が2つ。

「あははははははは」

 高らかに愉快そうな笑い声を上げ、アリスターは腹を抱えた。

「リ、リッキー、そんな挨拶しなくていいと言ったでしょう」

 必死で笑いを堪えるメルヴィンが、慌てて膝をついてキュッリッキを抱き起こす。

「だって、だって」

 顔を真っ赤にして泣きそうなキュッリッキは、メルヴィンとアリスターの顔を交互に見た。

「いや、失礼失礼。礼儀正しい挨拶に、笑うとは失礼なことをした。さあ、妻も待っている」

「入りましょう、リッキー」

 鼻をぐすらせながら、キュッリッキは小さく頷いて屋敷の中に入った。

「何故、泣かせているの?」

 開口一番、メルヴィンの母ハリエットは夫と息子を睨んだ。

「い…いや、つい笑ってしまってだな…」

「リッキーの挨拶がその、ちょっと仰々しすぎてつい」

「挨拶されて笑う人がありますか!!」

 ハリエットは手にしていたオタマで、2人の頭を勢いよく交互に叩いた。

「これだから男どもはまったく! ごめんなさいね、傷つけちゃって」

「……大丈夫なの」

 ハリエットの剣幕に、キュッリッキは多少ひいた。

「想像以上に美しいお嬢さんね。初めまして、私はハリエット。愚息の母です」

 藍色の髪を高く結い上げ、凛とした雰囲気をまとった、白い肌の細面な美女だ。

「初めまして、キュッリッキです」

 大きく鼻をすすったあと、キュッリッキはにっこりと微笑んだ。

「まるで絵画から抜け出てきたような笑顔ね。さあさあ、こちらへどうぞ」

 夫と息子を無視して、ハリエットはキュッリッキを食堂に連れて行った。

「お腹すいてるかしら、ちょうどお昼だから、食べながらお話しましょうね」

 大きな円卓前にキュッリッキを座らせて、ハリエットは小さな茶器に温かなお茶を注ぐ。

 申し訳なさそうな顔で、アリスターとメルヴィンも席に着いた。

「失礼します。おばさま、お料理運びますか?」

「そうしてちょうだい、エルシー」

「エルシー?」

 メルヴィンがぽつりと呟く。

「おかえりなさい、メルヴィン兄さま」

 黒髪の美人が、嬉しそうに微笑んだ。

「見違えたよ。大きくなったね、エルシー」

「15年ぶりだもの。メルヴィン兄さまは、昔より凛々しくなったわ」

「そうかな。もう30だし、そろそろ老けてくる頃だよ」

 メルヴィンがエルシーという娘と親しげな空気を醸し出して、キュッリッキの心にザワッ、と黒いものが漂う。

「紹介するわね。彼女は私の遠縁でエルシーというの。幼い頃から家族同然で一緒に暮らしているのよ。エルシー、この方はメルヴィンの婚約者のキュッリッキさんよ。ご挨拶なさい」

「初めましてキュッリッキさん」

 露骨なまでに素っ気ない声で、仕方なくといった表情で言われて、キュッリッキの頬がピクピクと引き攣り出す。

 その場に静かな火花が散り、アリスターとハリエットは明後日の方を向き、メルヴィンは首をかしげていた。

「こんにちは、エルシーさん」

 腹の底から絞り出すようにようやく言うと、キュッリッキは無理矢理笑みを浮かべた。

「お、お料理を運んじゃいましょうね」

 掌を打ち付け、ハリエットは真っ先に台所へ逃げた。

 エルシーはキュッリッキを睨みつけ、「フンッ」と鼻を鳴らして踵を返した。

「急にどうしたんだろうエルシー。機嫌悪いコトでもあったのかなあ?」

 状況がまったく飲み込めていないメルヴィンに、

「お前のそういう激鈍なところは、まったく治っていないようだな…」

 アリスターはゲッソリと息子を睨めつけた。

-つづく-


ユズキのファンタジー工房

あとがき

当初はブログ掲載はナシにしようと開始しましたが、諸々考え直して、ブログ内掲載もしていくように変更します。予告用に作った記事は、再編集して小説も加えて再投稿していきます。よろしくお願いします。


初出:2019/07/17

記事再編集:2019/12/12

ユズキのファンタジー工房:オリジナル創作ブログ

管理人:ユズキ

●恋愛ファンタジー小説【片翼の召喚士-sequel-】目次ページ(続編)

●恋愛ファンタジー小説【片翼の召喚士-ReWork-】目次ページ(完結済み)

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