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片翼の召喚士-sequel-:結婚式まであと2ヶ月

  • ハワドウレ皇国元副宰相ベルトルドとの死闘から早一ヶ月、皇都イララクスは復興の只中で、ライオン傭兵団はキュッリッキの邸(やしき)に居候して過ごしていた。 ベルトルドの深い愛と優しさにより、キュッリッキは失っていた翼を取り戻す。そして今は、最愛のメルヴィンと共に静かな時を過ごしていた。

  • キュッリッキとライオン傭兵団の後日談、そして12年後の彼らの様子を綴っていく、召喚士キュッリッキのハードスペクタクル恋愛ファンタジー

  • キュッリッキ

    キュッリッキ(19)

    スキル〈才能〉:召喚・Overランク、アイオン族

    一人称:アタシ。レア中のレアとされる召喚スキル〈才能〉を持つが、真の名称はアルケラの巫女。

    多くの苦労を重ね、ベルトルドやライオン傭兵団と出会い、短期間に数多くの試練をくぐり抜け、失っていた片翼を取り戻し、最愛のメルヴィンと結ばれた。本作の主人公。

  • その他の『登場人物紹介はこちら』

後日談編:結婚式まであと2ヶ月

「招待客からの返事はもう全部もらってるか?」

 ザカリーはテーブルに山積みにされた手紙を整えながら、リストにチェックを入れていく。

「タブンそれで全部じゃないですかね~?」

 シビルは手にしていた手紙の山をテーブルに追加する。

「んじゃ、この人数が入れる仮設テントを準備だな」

「砂地に建てるコトになるし、ある程度風が吹いても大丈夫なよう、しっかりしたポールじゃないとですね」

「んだんだ。カミサマがついてっから、まあ当日の天候は安心だろうケド」

「テント周辺の警備は正規部隊がつくんでしたっけ」

「うん。ビーチ全体はもちろん、選り抜きの精鋭部隊を特別にテント周辺に厳重配備、ダエヴァも就くから、そのへんはマリオンに一任してる」

「魔法部隊(ビリエル)も来るんですよね。カーティスさんが担当かな」

「だな」

 7月に入って、にわかにライオン傭兵団は忙しくなった。

 来月にはいよいよアジトが完成し、再来月にはキュッリッキとメルヴィンの結婚式だ。惰眠を散々貪りまくっていたライオン傭兵団は、目の前に迫るお祭りにエンジンがかかりまくっていた。

 とくに結婚式の準備には余念がない。

 キュッリッキとメルヴィンは大事な仲間であり、2人の結婚式を皆楽しみに待っていたのだ。

「会場を飾る花の手配も、もうしておかないとダメですよね」

「数が半端ねーからなあ」

「こっちでテキトーに選んじゃって良いですよね」

「パンフレットに載ってる高そうなのをテキトーでいいだろ。オレは花なんて何がいいのか判らん…」

「私もです…」

 ザカリーとシビルは、カタログを開いて薄笑った。

「おい、酒の手配はどうなってる?」

 そこへガエルとランドンがやってきた。

「救護班とかの手配もちゃんとしてあるのかな」

「酒はもう集め始めてる。ハーツイーズの倉庫をいくつか借りて、そこに置いてある」

「救護班の手配はウコンマーンアホ先生の担当でしたっけ。タブン大丈夫そう?」

「ナースの好みが煩くて、カーティスと喧嘩になってた気が…」

「…そう…。じゃあ当日何かあっても、先生が全部責任とって対応してくれるね」

 ザカリー、シビル、ランドンは、その光景を想像して深々とため息をついた。

 ライオン傭兵団始まって以来の、待望の名医ウコンマーンアホは、見た目の愛らしいコアラのトゥーリ族だが、ベルトルドやルーファスに負けず劣らずの女好きであった。

「まあ、わたくし共もご招待していただけるんですか?」

「ええ、新郎新婦たっての頼みなので」

 にこやかにカーティスは微笑む。

「使用人風情が、本当によろしいのでございましょうか…」

 嬉しさ半分戸惑い半分といった表情(かお)で、リトヴァとセヴェリは顔を見合わせた。

「お2人とアリサと3人、使用人代表で是非参加してください。キューリさんにしてみたら、3人は大事な身内なんです。キューリさんのためにもお願いします」

「そこまで仰っていただけるなら、喜んで参加させていただきますわ」

「ありがとうございます」

「傭兵ギルドへの通達ってしてあるのか?」

「エルダー街とハーツイーズ街にはしてある」

「昨年の美人コンテストよりは、くるんかねえ?」

「どうかなあ。世界各地では、まだ被災状態だったり、内戦で盛り上がりまくりの戦場イベント続発中だから」

「じゃあ、美人コンテストの時くらいの感じでいっか。余らせても勿体無いしな」

「だね」

 ギャリーとルーファスは、無差別参加客の担当だった。

 昨年ベルトルドとアルカネットが引き起こしたモナルダ大陸半壊事件で、モナルダ大陸以外にも自然災害を被った他の大陸や島国など、いまだ大きな被災の爪痕が残っている。

 そしてベルトルドが死んだことが世界中に伝わると、それまで属国に甘んじていた小国が、武装蜂起を始めたりするところも出始めた。

 ベルトルドの存在一つで、どれほどの抑止力になっていたのか。皇国の上層部は、それを今頃痛感しているに違いない。

 ベルトルドやアルカネットを止められなかった点で言えば、ライオン傭兵団にも世界の現状には責任があるのだ。

 ギャリーもルーファスも、そのことではそれぞれ思うところもある。

 しかし共通して思うことは。

「稼ぎ時っ!!」

 だった。

「なんか、みんな忙しそうだね」

「そうですね。オレたちの結婚式の準備で」

 メルヴィンはちょっと恥ずかしそうに頬を赤らめ、カシカシと後頭部を掻いた。

「あ、ウェディングドレスはどうなっていますか? あとオレのスーツ」

「それはね」

 メルヴィンに膝枕をしてもらっているキュッリッキは仰向けになると、クスッと笑ってメルヴィンを見上げる。

「アルケラの神様たちが、すっご~~~っく気合入れて作ってくれてるから大丈夫だよ」

「え…」

「アタシの好みは伝えてあるんだけど、珍しくティワズ様がノリノリになってて、しょっちゅう色々訊いてくるんだよ」

「そ、そうなんです、か…」

 ウェディングドレス――とスーツ――に燃える神様たちって一体、と、メルヴィンは心中複雑になる。

 昨年のクリスマスパーティーで、カーティス、皇王、ロキ神がキュッリッキの結婚式のことで揉めて、準備する担当を3方向で分担することになった。

 神様サイドは当日の天候と、ドレスとスーツを担当することになっていた。

「メルヴィンがドキドキしちゃうくらい、すっごいのを作ってねって言ってあるから、楽しみにしててね、メルヴィン」

「はい。とっても楽しみです」

-つづく-


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あとがき

まだ全然完結じゃないけど、アストちゃんの漫画、ノルマ32ページを無事達成です。

出来上がってるネームを、今後チマチマ更新していく感じでしょうか。

漫画は小説以上にまだまだ練習段階なので、上手な人の作品を手本にしながら、練習を積んでいかねばです。

絵や物語もそうだけど、コマ割や演出などなど、全然なってないので、編集さんっているといいよなあ…って、某出版社の編集さんと話をしてからより強く思うんですよね。アドバイザーっていうか、いれば多少なりとも向上すると思うから。

アルファポリス編集部への評価依頼は、一作品一回のみ、なので、それがちょっとザンネーン><

この片翼の召喚士も、番外編みたいなものを漫画で描いてみようかなと準備しています。これまで描いた画伯の漫画も、画伯に頼んで描き直してアップしてみようかと(・ω・) あとは普通に描いたものとか色々。

日々練習!


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