ALCHERA-片翼の召喚士- 070 第六章:勇気と決断 ベルトルドの悲劇・2

今回は、喜劇の悲劇です(・ω・) 御大にとっては大悲劇です(笑)

内容はとっても下品に仕上がっておりますが、御大の悲劇をとくとご堪能ください。


アルファポリスさんのファンタジー大賞へ、今年もエントリーしてみました。よろしかったら応援ポチっとしていただけると嬉しいです。

ジャンル的に激戦区ですけども、贅沢を言えば100位以内に居座れるといいなあ…と思ってます。





ALCHERA-片翼の召喚士-
第六章 勇気と決断 ベルトルドの悲劇・2 070



「だ、だめなんだから………」

 ぎゅっと固く閉じようとする脚の間に手を滑り込ませ、ベルトルドはキュッリッキの耳元で優しく囁く。

「脚の力を抜いて」

 顔を赤らめながら、小さくイヤイヤと首を振る。

「イケナイ子だ」

 ベルトルドは優しく微笑みかけると、はやる気持ちを抑えながらキュッリッキの上に覆いかぶさった。

 濃厚に唇を重ねながら、押し入るように舌を滑り込ませる。舌を絡ませようとすると、キュッリッキもおずおずといったように舌を絡ませてきた。それが愛おしくて夢中で吸い上げた。

 脚の力も次第に緩やかになり、そっと手で押し広げてやる。そして閉じないように身体を割り込ませた。



「リッキー……いくぞ……」

 むにゃむにゃと、幸せそうなニヤケ顔を浮かべるベルトルドを、キュッリッキは傍らに座って不思議そうに見つめていた。

 自分の名前をつぶやいているところから、夢の中に登場しているんだろうと察せられる。しかし、どこへ行こうとしているのかが判らない。

 寝言で夢を推し量れるほど器用ではないので、きっと楽しいところへ行くんだろうな、とキュッリッキは思った。

 まさか夢の中でオカズにされているなど思いもよらないキュッリッキは、ベルトルドを起こすべく、幸せそうな顔をペチペチと叩く。

「ベルトルドさん、朝だよ~。もう起きないと遅刻しちゃうよー」

 両肩を掴んで揺さぶるが、ニヤケ顔は止まらない。むしろ「ぐふふふふ」と気持ちの悪い笑い声すらあがるしまつ。

「ンもー、しょうがないなあ、どうして毎朝こんな感じなのかな」

 ベルトルド邸へきて、一緒に寝起きするようになって、ベルトルドを起こすことに苦労を強いられる。起こし始めて最低1時間は必要で、アルカネットも加わると魔法を使った過激な起こし方になる。傍で見ていると怖いし、いつ死んでもおかしくないほど手加減しないので、アルカネットが来る前にどうにか起こそうとキュッリッキは必死になった。

 キュッリッキはフェンリルとフローズヴィトニルが寝ているクッションを取り上げると、2匹が転がり落ちるのも無視してベッドに戻る。フェンリルが抗議するのもほっといて、ベルトルドの腹の上に馬乗りになり、クッションでバフバフと顔を殴りつけた。

「起きろ~~! 朝なんだから~~~!!」

 力いっぱい殴るが幸せそうなニヤケ顔のまま、ベルトルドは起きない。

 キュッリッキはベルトルドの上から降りて、再び傍らに座り込む。そしてそのニヤケ顔を恨めしそうに睨みつけ、ふとそれが目に付いた。

「??」

 ベルトルドのパジャマの股間が妙に盛り上がっている。

 以前裸で寝ていたベルトルドの股間に、巨大ナマコを発見したことを思い出し、キュッリッキはギョッと顔を強ばらせた。

「ど、どうしよう……またナマコが食らいついてるのかな……」

 しかし一体どこから忍び込んでくるのだろうか。キュッリッキは食いつかれていないし、たぶんアルカネットも無事だろう。なのにどうして2度もベルトルドに――――。

 キュッリッキはベビードールの裾をキュッと握り締め、硬い表情のまま生唾を飲み込んだ。気持ちわるいしおっかないけど、噛まれたらきっと痛い。

「退治して………やるんだからっ!」

 意を決して頷くと、キュッリッキはベルトルドのパジャマのズボンとパンツに手をかけ、一気に引き下ろした。



 身支度をきちんと整えたアルカネットは、食堂で新聞を広げながら、白い湯気の立つ紅茶を優雅に口に含んだ。

「!!!??」

 瞬間、ブバッと下品に紅茶を吹き出し、弾かれるように立ち上がった。

「な、なんですか今の悲鳴は!?」

 給仕のために食堂にいた使用人たちも、目を瞬かせながら仕事の手を止めていた。

「アルカネットさま!?」

 血相を変えたセヴェリとリトヴァが、食堂に飛び込んでくる。

 再び屋敷を震撼させるほどの悲鳴が轟いて、3人は顔を見合わせると食堂を飛び出した。

 普段なら厳しい叱責が飛ぶところだが、それどころではない。3人は大急ぎで屋敷の中をドタバタと走り回り、扉をバンッと開いて部屋に飛び込んだ。そして、ありえないほどの驚愕のシーンを目撃し、目をひん剥いて口を大きく開けたまま固まった。

「あ! アルカネットさんも手伝ってー!!!」

「いだだだだだだ痛い痛いリッキー止めなさーーーい!!」

 アルカネットたちに気づいたキュッリッキが、必死な面持ちでヘルプを求めた。一方、ベルトルドは本気で泣きながら悲鳴を喚き散らしている。

「リ……リッキーさん……?」

 アルカネットはよろりと倒れそうになるのを、かろうじて踏ん張った。

 そのシーンを、どう解釈すればいいのだろう。

「あのね、あのね、タイヘンなのー! ベルトルドさんの股間におっきなミミズが生えてたの!!」

「だからそれはミミズじゃないんだリッキー!! お願いだから引っ張るなああっ」

「だってムクムク大きくなってくるんだよ! これは寄生虫のミミズだと思うのっ! 痛いと思うけど引っこ抜けるまで頑張ってベルトルドさん!!」

 キュッリッキはベルトルドの股間のミミズ――――暴れん棒を両手でしっかり握り締め、額に汗して必死な形相で、渾身の力を込めて引っ張った。

「前はナマコに襲われたり、今度はミミズが生えてくるとか、ベルトルドさんばっかり可哀想なのーーー!」

 この光景をライオン傭兵団の皆が目撃したら、涙を流しながら腹を抱えて笑い転げるだろう。それほど奇妙で凄まじい光景が展開されていた。

(お……落ち着け…落ち着きなさい自分っ)

 アルカネットはブンブン頭を振り、目の前の現実をしっかり受け止める。キュッリッキにいつまでも、あんな汚らわしいものを握らせておくわけにはいかないからだ。靴を履いたまま慌ててベッドに飛び乗って、キュッリッキの背後に回って羽交い締めにした。

「と、とにかく落ち着いてくださいリッキーさん!」

「アタシ落ち着いてるってばあ! ものすっごく根深く生えてるのお!! こんなに一生懸命引っ張ってるのに抜けやしないんだからあ。アルカネットさんも手伝ってぇ」

「それはミミズじゃありませんから、手が汚れます。ていうかもう汚れているようなものですよっ! よく洗って消毒しなければ」

「だって、こんなヘンなモノが」

「さあ、洗面所へ行きましょうね」

「あ~ん」

 アルカネットに羽交い締めにされたままの格好で、キュッリッキは強制的に洗面所に連れて行かれてしまった。

 ベッドの上でぐったりとなったベルトルドに、セヴェリとリトヴァが慌てて駆け寄った。

「だ、旦那様」

 どう対応していいか困ったような声を出すセヴェリに、リトヴァは疲れたように見やって眉間に人差し指をあてた。

「なんと情けないお姿に……」

 泣きべそ顔で、パジャマの上着だけを着て乱れ、下半身はすっぱり丸裸。全身力が抜けたように、ぐったりと手足を投げ出している。こんなあられもない姿は初めて目にする二人だった。

 ベルトルドはようやく激しい拷問から解放され、痛みがひいていく中、頭が激しく混乱していた。

 確か幸せな夢を見ていたはずだが、強烈な痛みとともに目が覚めて、見ればキュッリッキが暴れん棒を握り締めて、必死に引っこ抜こうとしているではないか。あんなか細い腕のどこにそんな力が!? と思うような馬鹿力で引っ張っているのである。

 本来ならば、愛しい少女に暴れん棒を握り締められるなど、悦びの絶頂といっても過言ではないほどの、天にも昇るくらい幸せなはずなのだ。だが、握り締めるにしても限度はある。あそこまで強烈な力で握られたら壊死してしまう。

 いくら痛いからといっても、相手は愛しい少女、力で追い払うなどできはしない。しかし何度言っても放そうとしないし、股間にミミズが生えたと勘違いしている。

 ――――ていうか、ミミズ………ミミズ………

 この世のどこに、こんな立派な太さをしたミミズがいるんだよ!? と、自慢の暴れん棒をミミズ呼ばわりされて、心がシクシク痛んだ。

 いずれこの自慢の暴れん棒でキュッリッキを悦ばせ、エクスタシーの絶頂を迎えさせることを楽しみにしているのに、そのキュッリッキにミミズ呼ばわりされてしまうとは。

「もう俺、お嫁に行けない気がする」



 すったもんだの騒動から一時間経ち、食堂に顔を揃えたベルトルド、アルカネット、キュッリッキ。異様な空気が漂う中、キュッリッキは原型が判らないほど切り刻まれたソーセージにフォークを突き刺し口に入れる。アルカネットも黙々と皿の中身を平らげていくが、ベルトルドは青い顔で沈んでいた。

 ミミズが抜けず、体調を崩していると勘違いしているキュッリッキは、労りを込めた眼差しをベルトルドに向けた。

「ヴィヒトリ先生にちゃんと診てもらったほうがいいよ、ベルトルドさん。あんな寄生虫がおっきくなって生えてくるなんて」

「いや、あれは寄生虫じゃないから……」

 真剣な顔を向けるキュッリッキに、ベルトルドは引きつった笑みを向けた。

 キュッリッキは男の身体の構造が判らない。それを知っているベルトルドとアルカネットは、そのことをどう説明するか頭を悩ませた。もう少しばかりキュッリッキが子供だったら、冗談まじりに教えることはできる。しかしもう年頃の娘だ。ナントナク気恥ずかしいものがある。

「だいたい、なんでリッキーさんが、あなたの不潔極まりない粗末なモノを引っ張る羽目になったんですか」

 ジロリとアルカネットに睨まれ、ベルトルドは不機嫌そうに顔を歪めた。

「俺は寝ていたんだぞ、俺が知るか」

 不潔と粗末は余計である。

「ベルトルドさんってばいくら叩いても起きなくって、で、よく見たらパジャマの股間が膨らんでるでしょ。前に起こしにいったとき、ベルトルドさんの股間に巨大ナマコが張り付いていたから、もしかしたらまたかもって思ったの。そしたら巨大ミミズが生えててびっくりしたよ~」

 その瞬間、アルカネットがキレた。

「テメーはどーしてそう寝ててもエロイんだよなんで勃ってるんだよええ!?」

「だから俺は寝てたんだって何度も言わせるなっ!!」

 アルカネットの全身から稲妻がほとばしる。ベルトルドは慌てて自分とキュッリッキに防御を張り巡らせた。給仕のために食堂にいた使用人たちは、心得ているのかすでに退避している。

「リッキーさんにテメーのあんなもんを握らせやがって、手が腐るだろが」

 洗面所にキュッリッキを連れて行ったアルカネットは、キュッリッキが嫌がるほど徹底的に10回も薬用ソープで手を洗い、アルコールスプレーを何度もかけて消毒した。

「アルカネットさん怖いよぅ……」

 クロワッサンを両手で掴みながらキュッリッキが言うと、次第にアルカネットが普段の冷静さを取り戻していった。

「すみません、感情が昂ぶってしまいました。リッキーさんには怒っていませんからね」

 いつもどおりの爽やかな笑顔を向けられ、キュッリッキはホッと肩の力を抜く。

「お前はホントに多重人格だな……」

 ベルトルドは眉を痙攣させながら憮然と呟いた。

「しかしこのままというのも、あれだなあ……」

 19歳にもなって男と女の身体の違いが判らないのも問題である。こういうことは、正しい知識を身につけておく必要があるだろう。

「そうか、そうだ、ヴィヒトリに任せよう」

 ふとヴィヒトリが頭に浮かぶ。ベルトルドのつぶやきに、アルカネットも納得顔で頷く。

「ああ、それがいいですね」

「?」

「セヴェリ、大至急ここへ来るようヴィヒトリに連絡をつけろ」

「承りました」

 食堂に戻っていたセヴェリは会釈すると、食堂を再び出て行った。

「リッキーには、しっかりと学んでもらわないといけない」

「? ヴィヒトリ先生から?」

「うん」

 ベルトルドに深々と頷かれて、キュッリッキはひたすら首をかしげるだけだった。




第六章 勇気と決断 ベルトルドの悲劇・2 つづく



069 勇気と決断 ベルトルドの悲劇・1

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Comments 2

涼音

今日は^^

何か読んでいて……、「夢の中だろうなぁ~」と思っていたら、まさかまさかのリッキーが何も知らないにしても素手で引っ張ってるとは思いませんでした(爆)
ミミズかぁ。。。確かにミミズが巨大化したらあんな感じかもしれませんねぇ^^;
アルカネットさんに酷い言われようして……、でも夢なんだから仕方ないよね~。
それにしても御大、幸せな?災難でしたね^^;

そうだよね。流石にリッキーの19歳でコレは不味いよね。
おまけに恋する乙女。この年でこれでは真面に思いが叶のちのちメルヴィン大変だよね。不憫かも^^;
まぁ、メルヴィンならそれなりに理解してくれると思うし、リッキーの心が育つまで待ってくれるとは思うんだけど、メルヴィン相手に今回のような醜態は流石に見せられないよねぇ(笑)

ヴィヒトリってヴァルトの弟の確か先生ですよね?
まあお医者様ならきちんと話してもらえるかな。どんな話し方するんだろう?
リッキーが理解して、その上で前へ進めるようになるように健闘を祈ってます^^

パウリンへの投票有り難うございます^^/
何か先週末に一気に票が増えていてドびっくりしてしまいました^^;以降も今の所地道に投票を頂いているみたいで、感謝感謝です。お気に入りとかまだ全然なのに、皆さん何処からやってきて投票頂いているのか分からない。。。。先週末1000pt位増えてたんだけどなろうのVP2日合わせても400とかだったのよね。今もやっと3ケタ行くか行かないかのVPなんだけど……、何か如何してこんなにptが入っているのか?良く分からないわ^^;
サイトにそんなに何百人も来て頂いてるんだろうか?
カウンター設置何度か試みたけど出来ないままで放置だから、今どれくらいの読者様がいるのかすら全く分かっていないと言う……。
まあ、今更カウンターつけるのも今となっては如何でもいっかって感じにはなってるんだけど、こういう時はちょっと知りたい気もします^^;

ファンタジー大賞がかなりの大所帯で、無謀な参加だと言う事はわかっていたので、何処までいけるか分かりませんが、お互い良い位置で頑張れるとホント理想ですよね^^
もう私は目標pt越えだったので、今のptとか夢のようで小躍りしたくなる気分です♪ 投票頂いた皆様にはホント感謝感謝です。
パウリンは来年も連載していると思うので(笑)、来年も参加するかも(爆)

それはそうと、そちらの方台風大丈夫でしたか?
お気をつけてお過ごしくださいね。

2015-09-10 (Thu) 16:46 | EDIT | REPLY |   

ユズキ

Re: タイトルなし

涼音さんこんにちわヽ(・∀・)ノ

>ミミズかぁ。。

せっかく夢の中で本懐を遂げていたというのに(笑)
最初は「ベルトルドさんの股間に巨大キノコが生えてたの!」と言うように書こうと思ったんですけど、それはそれでよりリアルな表現かなとミミズにしてみました(笑)
今回の悲劇のオチは、次回でトドメになりますw

>流石にリッキーの19歳でコレは不味いよね。

不味すぎますw
「メルヴィンの股間にまでミミズが!!」とか絶対なると思うので(´_ゝ`)
御大とはまた違った反応がありそうメルヴィンの場合w 真剣に怒るか、心底驚きすぎて放心状態になるとかw

>ヴィヒトリってヴァルトの弟の確か先生ですよね?

ですですw 大のお兄ちゃんっ子ですw
世界屈指の名医ですからね、御大たちそのへんは信用しきってますが・・・・ふふり☆

>パウリンへの投票有り難うございます^^/

いえいえ(^ω^)
ファンタジーはホントに多すぎるんですよねw そのうちある程度サブジャンルで冒険・恋愛・歴史とかわけてほしいなと思わなくもない。
ウチも来年も参加してると思いますw ブログ閉鎖するまでは毎年しぶとく参加です!w

>そちらの方台風大丈夫でしたか?

はい~。わたしの住んでる地域は問題なかったです。近辺に川・海・山・崖といったものがないので、雨ザーザーですみました。常総市とかすごいことになっててNHKつけっぱですが、早く水ひいてほしいですねえ・・・。
今日は秋晴れで、空っぽの冷蔵庫を埋めるべく買い物いってきましたが、久しぶりに汗だくに><
お気遣いありがとうございました(^ω^)

2015-09-11 (Fri) 16:17 | EDIT | REPLY |   

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